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Run-D.M.C.(ラン・ディーエムシー)

ヒップホップ / 黎明期とオールドスクール · 1984

Run-D.M.C.(ラン・ディーエムシー)

Run-D.M.C.(ラン・ディーエムシー)

Run-D.M.C. · Run-D.M.C.

この一枚を聴く理由

ギターが広がるRock Boxから、声がむき出しになるSucker M.C.’sへ。二人の言葉と拍が力を分け合う瞬間を聴きたい。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

「Rock Box」のギターを追った後で「Sucker M.C.’s」を選んでみる。周りの音が減っても、二人のラップの勢いは小さくならない。むしろ誰が話し始め、誰が受け取るかが分かりやすくなる。Run-D.M.C.の第一作は、速さを競う音楽としてだけでなく、同じ拍の中で声が役割を分ける面白さから入れる盤だ。英語を全て聞き取る前に、声が重なる瞬間を一つ選ぶだけでもよい。その一瞬を待つうちに、次の句が気になってくる。

1984年3月27日発売のデビュー作。ここでは「Hard Times」から「Jay’s Game」まで九曲の版を参照し、十三曲の拡張版とは区別する。ランとDMCの声が前に出るが、グループにはDJのジャム・マスター・ジェイもいる。三曲目が彼の名を題名にしていることを覚えておきたい。歌う人の後ろで機械を動かすだけの存在、と先に決めないための手がかりになる。名前を覚えるために聴くのではなく、それぞれの役割へ注意を移すために曲順を使える。

言葉が切れるところから入る

「Sucker M.C.’s」では短いドラムの音と、声の句の終わりを交互に追ってみよう。長いメロディを覚える代わりに、強く置かれた音節が残るかもしれない。最初は一人を、次にはもう一人の入口を待って聴く。全ての単語を同時に理解しようとするより、文がどこで止まるかを見つけるほうが始めやすい。意味を調べて戻ると、同じ強調が自慢や挑戦として違って感じられる。音の手がかりと言葉の意味を一度に片づけなくてもよい。

演奏に枠を与える仕事

DMCは2014年のインタビューで、ラリー・スミスがラップに音楽的な構造を与えたと回想する。「Rock Box」で声を休める場所も、その説明に含まれる。三十年後の当事者の記憶であり、1984年の批評とは分けたい。舞台で成立するやり取りを、録音の長さと余白に整える作業があったと考えられる。声が消えたところで緊張も消えるのか、それとも次の入口を強く待つのか。制作の話を知った後でも、耳で確かめられる小さな問いが残る。

最初の二曲と最後の一曲

「Hard Times」の次に「Rock Box」を残し、ギターが入ると二曲目への到着がどう変わるか感じてみる。最後には「Jay’s Game」まで進んで、言葉だけを待っていた耳がどこへ向かうか試したい。その後の大きな成功を先に知っていなくても、この対照は楽しめる。一枚の中で声とリズムの割合が変わると、同じ三人に会う距離も変わる。好きな一曲から隣へ少しずつ進めばよく、九曲を一度で理解する必要はない。

曲からたどるアルバム

Rock BoxとSucker M.C.’sでギター、ドラム、二人の声の比重を比べたい。参照版は九曲で、試聴は一部分。

  1. Rock Box

    ギターが大きくなるとラップは押しのけられるだろうか、それとも勢いを増すだろうか。DMCの後年の説明では、ドラムの拍へ声を録った後でスミスが周囲の楽器を加えた。完成した伴奏の前で全員が一斉に演奏した、と想像する場合とは違う制作風景だ。ギターはエディ・マルティネスが担当するが、まずは声が休む間に何が注意を保つか聴いてみたい。二度目はギターばかり追わず、声の戻るところを待つ。大きな楽器と短い言葉が互いの場所を作れるか、耳で試せる。ジャンルを混ぜたという説明の確認だけで終えず、自分の身体が先に反応する音を見つけたい。

    参考資料 · Chris Williams interviews DMC on Rock Box and Larry Smith, Red Bull Music Academy, 2014
  2. Sucker M.C.'s (Krush-Groove 1)

    「Rock Box」の後に選び、声の周りが少なくても音楽の大きさが残るか比べてみよう。Appleの回顧は、ドラムを中心にした隙間の多い編成を指摘する。それは現在の説明で、発売時の全聴衆の回答ではない。片方が文を終える前に、もう一人は何をすると思うだろう。自慢や挑戦の言葉を、日常の事実をそのまま報告する文章より、相手へ迫る演技として聴くこともできる。単語を聞き逃しても強調と休みは追える。一度はドラムを、次には声の受け渡しを選んでみる。空いている場所があるからこそ、短いひと言が大きく感じられる瞬間を探せる。

    参考資料 · Apple Music / Arista: Run-D.M.C., nine-track programme

次に聴く一枚

Grandmaster Flash & the Furious FiveのThe Messageへ戻り、繰り返す伴奏の上で言葉が担う役割を比べたい。

The Message ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。