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Speak No Evil

ジャズ / モード・ジャズ · 1966

Speak No Evil

ウェイン・ショーター

Speak No Evil · Wayne Shorter

この一枚を聴く理由

覚えやすい主題と予想どおりには進まない道筋が、六つの自作曲を異なる物語にする。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

暗い曲名だけでは、このアルバムの全体像はつかめない。Witch HuntやDance Cadaverousと同じ一枚にInfant Eyesがあり、最後はWild Flowerで終わる。ショーターは音楽を謎の中に隠すだけではない。覚えられる旋律を渡し、その旋律が進む道を少し違う形にする。題名から想像する奇妙な風景と、歌うような音型が共にあるため、一つの不穏な色だけにまとめることができない。

1964年12月24日にヴァン・ゲルダー・スタジオで録音し、1966年に発表された元の六曲はすべてショーター作品。テナーの本人に、トランペットのフレディ・ハバード、ピアノのハービー・ハンコック、ベースのロン・カーター、ドラムのエルヴィン・ジョーンズが加わる。デイヴィスやコルトレーンのバンドとのつながりはあるが、どちらかをそのまま移した編成ではない。この五人のために、リーダーが六つの異なる枠を用意する。

二つの面にある入口

元の前半はWitch Hunt、Fee-Fi-Fo-Fum、Dance Cadaverousの順。表題曲は第四トラックで、LPの後半を開く位置にある。現在の配信では、最初の曲も表題曲も八分を超える。始まりと中ほどに大きな入口を置き、周囲に長さや表情の違う曲を配置する形だ。デジタル再生で面を裏返す必要がなくなっても、この並び方が作る区切りは残る。前半の三曲をひとまとまりとして聴いてから表題曲へ進むと、同じ編成の中でも入口の作り方が違うことに気づく。曲名の印象だけでなく、置かれた位置も作品の顔になる。

一小節の余地にも役割がある

Infant Eyesを分析したバーバラ・ブレイは、各部分が八小節ではなく九小節から成る点を取り上げている。規則から外れること自体が目的ではなく、次の部分へ動くための場所として捉える解釈だ。小節を数えなければ聴けないという意味ではない。旋律が落ち着きそうで、もう少し先へ進む感覚を手がかりにしてもよい。穏やかな歌の下にも、細かく選ばれた比率がある。

バラードの後に残る花

Infant Eyesが一枚の終点ではないことも大切だ。Wild Flowerが続いて、六曲のプログラムを閉じる。同じ五つの楽器が演奏しても、曲名や役割は入れ替え可能ではない。テナーとトランペットが主題を示し、その周囲をピアノ、ベース、ドラムが動かす基本の形に、作曲の違いが別の道を生む。美しい一曲を代表として選ぶ楽しさと、最後まで順番に聴く発見は、違うところにある。

曲からたどるアルバム

表題曲からInfant Eyes、Wild Flowerへ進み、覚えた旋律の輪郭とその下のアンサンブルの変化を比べたい。

  1. Speak No Evil

    表題曲は冒頭ではなく、第四トラックとしてLP後半を開く。Dance Cadaverousの後にもう一つの大きな入口を作り、約八分二十秒という長さは選んだ六曲の中で最も長い。主題の輪郭を覚え、奏者が前面に出る順序が変わっても、その形がどう残るかを聴きたい。ショーターは自分の独奏だけでなく、複数の即興が通る共通の道を書くことでもリーダーになる。音源は元のアルバム演奏で、拡張版の別テイクではない。次のInfant Eyesへ続けると、独立した一曲としての力に加え、その位置が作る対比も見えてくる。配列も曲の働きを広げる。

    参考資料 · Blue Note official store — original six-track order, Christmas Eve 1964 session and personnel
  2. Infant Eyes

    歌うような旋律にも、予想どおりではない形がある。ブレイの分析は九小節の部分構造を、次へ進む余地として説明する。数字を謎解きの鍵にするより、落ち着きそうな句がもう少し先へ続くところに注目してもよい。同じ形の旋律が違う周囲の響きの中で何を変えるかも、具体的な比較になる。約六分五十五秒の演奏は、表題曲とWild Flowerの間に置かれる。美しいバラードだからと結末に決めてしまわなければ、前後との関係も聞こえる。柔らかな表面と細やかな構成は、互いを自然に伝えるために働いている。後続曲まで聴くことで、その役割も変わって見える。

    参考資料 · Barbara Bleij, Music Theory Online — original analysis of Infant Eyes and formal phrase lengths

次に聴く一枚

Maiden Voyageではハバード、ハンコック、カーターが再び共演し、テナーとドラムの奏者が変わる。明暗だけの区別を越えて、二人の作曲家が同じ五楽器の形式に作る異なる道筋を比べたい。

Maiden Voyage ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。