映画音楽 / ヨーロッパの作家主義映画 · 1993
Three Colors: Blue
Zbigniew Preisner
Three Colors: Blue · 즈비그니에프 프레이스네르
この一枚を聴く理由
長い合唱と短い断片が、記憶の戻ってくる間隔を作る。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
このアルバムでは、数十秒で終わる曲を飛ばさずに聴きたい。大きな合唱の間に置かれたフルートや短い旋律が、音楽全体の遠近感を変えるからだ。《Three Colors: Blue》の魅力は、美しい主題そのものだけでなく、その主題をもう一度迎えるまでの時間にもある。
Zbigniew PreisnerがKrzysztof Kieślowskiの1993年の映画に書いた音楽である。Criterionの制作記事によれば、作曲は撮影開始より前に行われた。画面が完成してから感情を補うだけの伴奏ではなく、映像や演技が進むための時間を準備する役目も持っていたことになる。ただし、アルバムの順番をそのまま映画の場面順として読む必要はない。画面を離れた曲同士の関係も楽しめる。まずは音の出入りを追うだけでも、その構成の細やかさに触れられる。
小さいものの働き
RepriseやEllipsisという名前が何度も現れる。似た題名を見て重複だと思うより、前に聞いた響きが別の位置に置かれたときの印象を確かめたい。First Fluteの短さは、長い曲へ進むまでの不足ではない。ひとつの音色に注意が集まったあと、次の曲を待つ耳の速度が変わる。その変化まで含めて一曲と考えると、細かく区切られた曲目表が聴くための手がかりになる。
実在しない作曲家
Van den Budenmayerは歴史上の作曲家ではなく、監督とPreisnerの映画世界に登場する架空の人物だ。したがって、この名前が付いたFuneral Musicも、古い作品を発掘した録音として扱ってはいけない。実際に音楽を書いたのはPreisnerである。管楽器、オルガン、オーケストラという版の表示を見ながら、同じ名の音楽が異なる響き方をする点に耳を向けよう。映画の知識がなくても比較できる入口だ。
一枚としての範囲
Song for the Unification of EuropeにはPatriceとJulieの二つの版がある。なぜ別の名前になるのかを物語の結末まで説明する代わりに、その間の短い曲が聴き手の記憶をどう変えるかを感じたい。参照するApple音源は三部作の合本なので、ここで扱うのは先頭の二十五曲となる。その範囲に含まれるRed関連のBoleroは、もともとのBlueのアルバム曲目にもある。後続の別作品まで一枚として数えないことが大切だ。こうして範囲を定めて聴くと、大きな感情を断片に分け、また長い形に集める音楽の工夫が見えてくる。
曲からたどるアルバム
First Fluteから入り、Funeral Musicの編成違いを比較。合本の1〜25曲目を一まとまりとして聴く。
First Flute
一分に満たないフルートの曲を、アルバムの大きさを測る基準にしてみよう。独立した長い楽章のような展開を期待せず、旋律が現れて消えるまでの間と、その先に残る余白を追う。続く曲への移り変わりも、この短さが作る経験の一部である。後のSecond Fluteと比較すれば、楽器が同じでも同じ役目とは限らないことが分かる。特定の場面を思い出せなくても構わない。そのあと冒頭の合唱へ同じ再生音量で戻り、感じる空間の広さがどれだけ変わるか確かめたい。小さい曲を単なるつなぎとして通り過ぎないための、具体的な聴き方になる。
参考資料 · Apple Music: trilogy compilation; Blue programme tracks 1–25 onlySong for the Unification of Europe (Patrice’s Version)
冒頭の合唱は、細かく区切られた後続の曲とは異なる長い時間を提示する。題名は映画内の作品に関わるもので、現実の欧州の公式な国歌だと受け取らないようにしたい。後半にはJulieの版が別に置かれている。ここでは物語上の答えを先に明かさず、版の名を区別するだけにとどめよう。最初にこの曲だけを聴き、次には短い曲を順番に通って後の版へ進む。違いを暗記するのが目的ではない。フルートやピアノの小さな響きを経た耳が、長い合唱をどんな気持ちで迎えるのか。その聴く条件の変化こそ、同じ題名を二度置くアルバムの楽しさにつながる。
参考資料 · Apple Music: trilogy compilation; Blue programme tracks 1–25 only
次に聴く一枚
Ennio Morricone《The Mission》では、合唱と独奏楽器が別の広がりを生む。
The Mission ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。
- Preisner official discography links the trilogy soundtrack · preisner.com
- Criterion producer Abbey Lustgarten: music composed before shooting · www.criterion.com
- Criterion / Tim Greiving: interviews with Preisner and Binoche, 2023 · www.criterion.com
- Apple Music: trilogy compilation; Blue programme tracks 1–25 only · music.apple.com
- Spotify: standalone 1993 Bleu, 25 tracks · open.spotify.com
- MusicBrainz: Virgin Blue CD programme cross-check · musicbrainz.org