ポップ / ポップ・ソングの基礎 · 1972
Something/Anything?
トッド・ラングレン
Something/Anything? · Todd Rundgren
この一枚を聴く理由
親しみやすいメロディーの隣には、強いギターや短い遊びもあります。一人で重ねた演奏と、仲間と作った演奏を比べる楽しみもある二枚組です。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
最初の二曲を続けて聴いてみてください。「I Saw the Light」の軽い動きから、「It Wouldn’t Have Made Any Difference」の長く留まる歌へ。同じように入りやすいメロディーでも、言葉の速さと伴奏の重みが変わります。この小さな違いが、その先に続く多彩な曲への入り口になります。ピアノのそばにいる歌が好きな人も、ギターが前に出る瞬間が好きな人も、自分の居場所を探せるアルバムです。すべての曲に同じ反応をする必要はありません。
1972年に発表された二枚組です。ライノの制作紹介によれば、LP三面ではラングレン自身が歌と楽器を重ね、最後の面ではセッション奏者たちと録音しました。ここで案内するベアズヴィルの配信版は短い導入も分けて全25トラック。25曲の独立した歌を一度に聴く課題と考えるより、もともと四面に分かれていた音楽として区切ると気楽です。後年のライヴ盤やヒット曲集ではなく、この長い曲順を確認できる版を選んでいます。
寄り道も曲順の一部
「Intro」から「Breathless」へ進む部分と、ギターの存在が強い「Black Maria」では、楽しみ方も変わります。穏やかなヒット曲ばかりを期待すると、散らかって感じられるかもしれません。そんなときは好きな二、三曲を選び、何が前面にあるか比べてみましょう。声が全体を導くのか、途中で楽器に場所を譲るのか。多才という評価を覚えるより、自分の耳が向く場所を見つけるほうが、この作品を身近にできます。
一人の作業と共同の演奏
最後の面の「Hello It’s Me」では、前半の曲に戻って伴奏の動きを比べることもできます。歌が休んだとき、ほかの音はどこへ進むでしょうか。録音方法の違いが、いつでもはっきり聞き分けられるとは限りません。一人で作った音が冷たく、複数で演奏すれば温かい、と決める必要もないのです。制作の知識は正解を当てる試験ではなく、次に聴くときの小さな問いとして使うとよいでしょう。
有名になる時期も一つではない
ライノの回顧記事では、「I Saw the Light」の1972年の米国でのヒットと、「Hello It’s Me」が1973年に広く届いた経緯を区別しています。アルバムの発表と、すべての曲の成功が同時だったわけではありません。現在の高い評価も、当時の全員の感想と同じではないはずです。今聴くなら、その名声に合わせようとせず、短い曲や長い展開の中から気になる部分を選んでみてください。別の日に違う面へ戻る聴き方なら、量の多さも負担ではなく選択肢になります。
曲からたどるアルバム
冒頭の二曲から入り、16番と22番を比べてみましょう。25という数は配信上の区切りで、もとは二枚組です。
I Saw the Light
声が入る前の軽やかな動きから聴き始め、そのあと伴奏が言葉をどう運ぶかに耳を向けてみましょう。ライノの後年の整理では、1972年の米国シングル・チャートで16位を記録しています。当時の広がりを示す具体的な数字ですが、二枚組のすべてがこの雰囲気という意味ではありません。次の曲まで続けると、長く留まる歌い方との違いが感じやすくなります。多くの楽器を一人で録音したという話は、初回には忘れても構いません。二度目には歌の合間を埋める音へ注意を移すと、覚えたメロディーを待つだけとは違う楽しみ方ができます。知らない楽器の名前を当てる必要もありません。
参考資料 · Rhino: February 1972 release and later single successHello It's Me
前に聴いた曲と、声の距離を比べてみてください。歌の文が終わったあとも伴奏を追うと、複数の演奏者と作った最後の面を別の角度から楽しめます。ライノの紹介では、それ以前の三面はラングレン自身が重ねて録音した部分です。違いを知っても、共同の演奏のほうが必ず温かいと決める必要はありません。この曲が終わっても止めず、次のトラックへ進んでみましょう。有名な一曲を単独で聴くと到着点のように感じますが、ここではほかの曲の隣に置かれています。その移り変わりは、音作りの機材を知らなくても味わえるアルバムならではの楽しみです。
参考資料 · Rhino: three solo sides and live-in-studio fourth side
次に聴く一枚
ハリー・ニルソンの《Nilsson Schmilsson》へ。おなじみのバラードと意外な隣の曲が作る流れを比べてみてください。
Nilsson Schmilsson ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。