ロック / ブリティッシュ・インヴェイジョンと60年代ポップ・ロック · 1966
Aftermath
The Rolling Stones
この一枚を聴く理由
短い歌の切れ味と長いブルースの持続を、英国盤の曲順で比べる。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
声の周囲にある音へ耳を向けたい。「Lady Jane」の細い弦の響きと「Under My Thumb」の丸みを帯びた反復は、歌が入る場所をそれぞれ違う形にする。『Aftermath』は、ギターを大きく鳴らすだけで変化したアルバムではない。「Going Home」ではさらに時間を引き伸ばし、短い曲で要点を示すバンドの別の面を聴かせる。
本稿の対象は、1966年の英国盤十四曲。「Mother’s Little Helper」に始まり「What To Do」で終わる。米国盤は「Paint It Black」を含む十一曲の別構成なので、その曲を英国盤の冒頭として説明しないことが大切だ。長い「Going Home」はここでは六曲目に置かれ、その後にも多くの歌が続く。曲が長いという事実だけでなく、その後に何が来るかも聴後感を変える。地域による曲順の違いは、ジャケットだけの違いではない。
自作曲の中に残る土台
全曲をミック・ジャガーとキース・リチャーズが書いた最初のストーンズのアルバムである。初期のカバー中心の姿から重心が移っても、ブルースの反復やリズムの強さが消えるわけではない。ブライアン・ジョーンズが使う楽器の幅も、曲ごとの響きを広げる。珍しい楽器名を集めるより、音がすぐ消えるのか長く残るのか、声を先導するのか後ろで待つのかを比べてみよう。同じ歌い手でも、周囲の音によって距離の感じ方が変わってくる。
魅力的な音と語り手の態度
心地よい伴奏が、必ずしも親切な内容を運ぶとは限らない。「Under My Thumb」では、魅力的な反復と相手を支配しようとする語り手の姿勢を分けて受け止めたい。それを単純に格好よい反抗として処理しなくても、音楽の仕組みは聴ける。一方「I Am Waiting」の待つ姿勢には、自信に満ちた人物像だけでは捉えられない感情がある。音色の違いに加えて、誰かに話しかける距離や確信の強さにも耳を向ければ、曲順の変化がもっと細かく見えてくる。
当時の成績と後年の評価
英国Official Chartsは本作の一位を八週と記録している。これは当時の商業的成功の証拠であって、全曲への批評的な賛同を意味しない。ジャガーが1995年に自作曲への移行を重要な転換として振り返った言葉は、後年の自己評価として区別できる。配信には2013年のABKCO表記があるが、2013年の新演奏ではない。英国盤の十四曲をそのまま辿ると、有名曲だけを抜き出した時には消えてしまう、簡潔な歌と長く留まる演奏の対比が残る。まずは全体の長さに身を置き、その後で気になった曲へ戻ってみたい。
曲からたどるアルバム
「Going Home」から「Flight 505」へ続け、時間の縮まり方を比べよう。
Lady Jane (Stereo Version)
声の間に残る、細く輪郭のはっきりした弦の音を追ってみよう。荒々しいバンド像を予想していると、この整えられた空間は意外かもしれない。ダルシマーなどを使うジョーンズの音色の拡張は、珍しい飾りを加えるだけでなく、歌が動く足場を変える。ただし、昔の音楽をそのまま再現した資料と考える必要はない。過去を思わせる響きを1960年代のポップ曲の中に置く方法として聴きたい。まず旋律を、次には歌の文と文の間に残る音だけを追う。遅い流れの中でも二つの層が違う呼吸を持つことがわかる。ここでのStereo Versionという表記は、リンク先のトラック名に従っている。
参考資料 · Apple Music: Aftermath UK 14-track editionGoing Home
英国盤の六曲目で、短い歌を聴いてきた時間感覚が変わる。十分を超える演奏では、新しい旋律が次々に現れるかより、同じ土台の上で関心をどう保つかに注目したい。声の言葉の置き方、小さな強弱、楽器の間の隙間が出来事になる。長いというだけで最初の実験だったと主張する必要はない。この曲順の中で、ブルースの反復が別の大きさに広がることが聴きどころだ。終わったらそのまま「Flight 505」へ進もう。再び短い歌に戻ると、長く留まった時間から抜け出す感覚が明確になる。単独で長い曲を聴く場合と、前後に挟まれた一曲として聴く場合の違いを試せる場所でもある。
参考資料 · Apple Music: Aftermath UK 14-track edition
次に聴く一枚
同じ1966年の『Pet Sounds』と、音色が歌の形を変える方法を聴き比べたい。
Pet Sounds ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。
- Apple Music: Aftermath UK 14-track edition · music.apple.com
- Official Charts: Aftermath chart history · www.officialcharts.com
- uDiscover: composition and UK/US release history · www.udiscovermusic.com
- ABKCO: original-format vinyl reissue programme · www.abkco.com
- SWR: Aftermath retrospective with Jagger 1995 recollection · www.swr.de