ロック / ロックンロールの誕生 · 1960
A Date with the Everly Brothers
エヴァリー・ブラザーズ
A Date with the Everly Brothers · The Everly Brothers
この一枚を聴く理由
二人の声が寄り添うだけではありません。隣り合うバラードと速い曲から、その組み合わせの表情を聴いてみてください。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
「Love Hurts」のあと、そのまま「Lucille」へ進んでみましょう。同じ二人の声でも、前の曲では言葉を離しがたいように、次の曲では伴奏に押されて先へ進むように感じられるかもしれません。声がきれいに重なる、という説明だけでは届かない楽しさがあります。一つの声のように聴こえるところと、その中に違う高さを感じるところを行き来すると、短い歌にも耳を置く場所が増えてきます。
1960年のアルバムで、ここにつながるワーナー配信版は「Made to Love」から「Cathy’s Clown」までの全12曲です。配信情報の1961年という権利表記は、最初の発表年とは分けて読む必要があります。活動全体のヒット曲を並べたベスト盤ではなく、この曲順を持つ一枚として案内しています。同じ題名を使った別の歌手のトリビュート盤とも異なるので、検索するときには歌手名も確かめると安心です。
優しい声にも違う歩幅がある
最初の曲から「Baby What You Want Me to Do」まで進むと、声の組み合わせは変わらなくても伴奏の重さは同じではありません。一つの言葉を長く保つのか、短く切って次へ渡すのか。そんな違いを聴くだけでも、穏やかな声をゆっくりした音楽と決めつけずに済みます。どちらがドンでどちらがフィルかを、最初から当てる必要はありません。まず歌が途切れる場所で楽器が何をしているかに耳を移してみてください。
人気の数字と自分の感想を分ける
最後の「Cathy’s Clown」は、1960年の英国シングル・チャートで7週間1位を記録しました。当時の人気を示す具体的な数字ですが、アルバム全体の評価や順位ではありません。ライノの後年の紹介では、ワーナーで最初に発表したシングルという位置も振り返られています。すでに知っている歌でも、新しい契約先で届けた一曲と考えると少し違って見えます。ただし、成功の歴史を知ることと、いま自分が好きになることは別でかまいません。
二曲ずつ聴いても見えてくる
「Always It’s You」「Love Hurts」「Lucille」という並びを、小さな入り口にしてみましょう。声の親密さを残したまま、曲が変わると呼吸や速さも変わります。気になる一曲で止めてもよく、最後の有名曲から始めてもかまいません。あとで最初に戻ると、同じ声が違う伴奏の中で作る表情を比べられます。古い名盤だから全曲を理解しなくては、と構えるより、もう一度聴きたい短い歌を探すほうが身近な一枚になります。
曲からたどるアルバム
7曲目と8曲目を続け、そのあと終曲へ。短い試聴では歌全体の移り変わりまでは分かりません。
Love Hurts
ほかの歌手の録音で知っているなら、予想していた大きな盛り上がりをいったん脇に置き、言葉の終わりに残る二つの声を聴いてみてください。控えめな歌い方でも、痛みが小さくなるとは限りません。この曲は7曲目で、直後には「Lucille」が続きます。同じ二人が別の速さへ移る場所としても楽しめます。後年のすべての歌唱より優れている、と順位をつける必要はありません。声の数、言葉を保つ時間、伴奏が残す空間。その三つだけを比べても、知っている歌を別の角度から聴けます。大きな高音だけを感情の尺度にしない入り口になるでしょう。
参考資料 · Apple/Warner: twelve-track album programmeCathy's Clown
「A Change of Heart」のあとに置かれた最後の曲です。有名な歌を一曲だけ取り出したときと、十一曲のあとで迎えたときでは印象が違うかもしれません。英国の公式チャートでは1960年に7週間1位。これは当時のシングルの人気を示し、アルバム全体への評価とは別です。ライノの後年の紹介はワーナーでの最初のシングルだったことも伝えています。新しい場所へ送り出した歌として考えつつ、成功が最初から決まっていたようには聴かなくてよいでしょう。重なる声と、その下で前へ進むリズムへ交互に耳を向けると、懐かしいサビにも違う楽しみが残っています。
参考資料 · Official Charts: Cathy’s Clown UK single history
次に聴く一枚
次はクリケッツのデビュー盤へ。近く感じる声と短いロックンロールが作る勢いを比べてみてください。
The "Chirping" Crickets ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。