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Exodus(エクソダス)

レゲエ・ラテン / ルーツ・レゲエ · 1977

Exodus(エクソダス)

ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ

Exodus · Bob Marley & The Wailers

この一枚を聴く理由

長い反復の中の小さな変化と、恋の歌が近くへ届く距離。同じリズムに身体を預けても、考えや気持ちの向かう先は一つではない。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

長く続く表題曲から「Waiting in Vain」へ移ってみる。同じ声でも、人々の前で語る感じと、身近な誰かへ話しかける感じが違ってくる。マーリーの音楽を明るい夏の雰囲気として知っているなら、その距離の変化から入るのもよい。まず低い音の動きを追い、次に声が休んで戻る場所へ注意を向ける。心地よく身体が動くことと、気持ちが単純に晴れることは同じではない。親しみやすい拍の上にも、考え続けたくなる時間が残る。

1977年の十曲入りアルバムで、後年のヒット集Legendとは別の作品である。1976年の襲撃後にジャマイカを離れたマーリーが、ロンドンで録音した時期の音楽だ。その背景を知りつつ、全ての歌を一つの事件の説明だけにしないでおこう。参照する2013年リマスターは「Natural Mystic」から始まる元の曲順をたどる。表題曲を最初に置く後年の再構成とは区別したい。名曲の集合としてだけでなく、どの歌の後に何が来るかを聴くと、この一枚の呼吸が見えてくる。

同じ動きの中で耳を移す

繰り返しが続くとき、新しい旋律が早く出てこないかと待つばかりにしない。低い音を追ってから短く切れる伴奏へ、さらに声へと耳を移せば、同じ箇所でも手前に来るものが変わる。一度目は拍に乗り、二度目は隙間を聴いてみる。その間があることで、次の音を待ち遠しく感じるだろうか。リズムの専門用語を覚える前にもできる方法である。反復を止まった状態ではなく、注意を動かせる場所として受け止めたい。

当時の記録を広げすぎない

1977年7月2日付の英国アルバムチャートで八位に達した。発売に近い時期の一市場の記録であって、ジャマイカや米国の全聴衆の反応を代弁するものではない。大きな名声より、表題曲から「Jamming」、そして「Waiting in Vain」へ進む気分を比べてみよう。同じ歌手が相手への向き合い方を変えていく。その流れを残して聴くことで、音盤を一つの標語や一種類の明るさへまとめずに済む。

知っている曲の前を残す

「Three Little Birds」や「One Love」を知っていても、その曲だけを選ぶ前に一つ前から続けて聴いてみたい。編集盤で出会った歌が、別の速度で近づくこともある。歌詞を全て訳し終えなくても、声への応答や曲の終わりには耳を置ける。試聴の終わる位置が、音楽の結論とは限らない。気になった一曲を全体で聴き、その隣を足してみる。馴染みのサビを確認する時間から、一枚の流れをたどる時間へ少しずつ移っていける。

曲からたどるアルバム

Exodusの長い反復とWaiting in Vainの近い語り口を比べたい。参照版はNatural Mysticから始まる十曲で、2017年の再構成とは異なる。

  1. Exodus

    長い曲だからといって、常に新しい旋律が必要なわけではない。低い動きをしばらく追い、声が入ったら注意を移してみる。元の曲順では五曲目で、前の四曲を経て出会う場所にある。この曲だけを選んだときと比べ、反復の重さは変わるだろうか。題名の出発というイメージを、歌手のロンドン移住だけで説明しきらないでおこう。今の耳では、繰り返す言葉と拍が一緒に前へ進む感じを作るか確かめられる。長いと思った時間が、次の応答を待つ時間へ変わることもある。展開の数を数えるより、同じ動きの上で何に耳が向くかを感じたい。一枚の途中で聴くことにも理由が生まれる。

    参考資料 · Bob Marley official: Exodus, original programme and release context
  2. Waiting in Vain

    表題曲の大きな動きの後では、声が誰かの近くへ歩み寄ったように感じられる。報われない待ち時間という題意だけで曲を終わらせず、歌の句が途切れた後の伴奏を聴いてみたい。声が戻ると待つ感じは強まるのか、それとも一度ほどけるのか。元の十曲では七曲目で、「Jamming」の次に置かれる。そこから続けた場合と、この歌から始めた場合で気持ちの速度を比べられる。恋の歌を公的な発言の反対側へ追いやるより、一人の歌手が私的な気持ちにも場所を作ると考えてみよう。同じリズムの言葉を使っても、相手との距離は変えられる。その違いを耳で追う一曲である。

    参考資料 · Apple Music: Exodus, 2013 remaster of the ten-song programme

次に聴く一枚

カルチャーのTwo Sevens Clashへ。同じ1977年のレゲエでも、声の集まり方とリズムが運ぶ緊張はどう違うか聴き比べたい。

Two Sevens Clash ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。