レゲエ・ラテン / ラテンアメリカ · 1972
Live at the Cheetah, Vol. 1
ファニア・オール・スターズ
Live at the Cheetah, Vol. 1 · Fania All-Stars
この一枚を聴く理由
独唱者と合奏の関係を変えながら、スターの集合を一つの演奏の形へ変えるライブ盤。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
四トラックだけで構成されるが、『Live at the Cheetah, Vol. 1』は小さくまとまらない。紹介、長い合奏、一人の歌手を照らす歌、複数の声が交代する最後の曲が、順番に舞台の規模を変える。有名な名前の一覧よりも、彼らが一つの場所をどう分け合うかが聴きどころだ。
1971年8月26日、ニューヨークのチーターで録音され、1972年にアルバムとして出た作品。ジョニー・パチェーコが音楽を率いるファニア・オール・スターズは、個人名義や別の楽団でも活動する音楽家が集まった。この第一巻は公演全体の完全記録ではなく、四つのトラックを選んだ一枚である。第二巻や別の公演を混ぜず、この範囲で独唱と合奏の関係がどう変わるかを追える。
紹介にも時間がある
最初の「Introduction Theme」は約五分二十一秒を使う。司会の言葉を早く通過するための目印ではなく、聴き手が舞台へ入る時間だ。続く「Descarga Fania」は九分以上の合奏を広げる。二曲を続ければ、よく知られた歌が現れる前から作品の規模が定まる。管楽器の短い応答と複数の打楽器を全て別々に追うより、どの瞬間に舞台の焦点が移るかを感じると入りやすい。到着そのものが音楽の一部になっている。
一人を照らす場面
三曲目「Anacaona」ではチェオ・フェリシアーノが中心に立つ。ティテ・クレ・アロンソの作品を歌うこの演奏は、前の合奏と後の長い声の交代の間で、個人の輪郭を明確にする。ラリー・ハーロウのピアノが広がる箇所まで含めれば、歌だけで時間を埋める構成ではない。歌の句と楽器の応答が交互に注意を引くため、一人を前に出しても他の奏者が匿名の背景に消えるわけではないことが分かる。
片面を使う声の交代
元の第一面には最初の三曲、第二面には「Quítate Tú」一曲が置かれる。約十六分四十五秒は、一人の長い独唱のためではない。複数の歌手が順に表現を差し出す仕組みが、その時間を作る。応答が戻るたびに新しい声の場所が開き、口調や押し出し方の違いが現れる。ここでは競い合うことと共同で演奏することが同時に成立する。最も強い歌手を選ぶだけでなく、次の人へ場所を渡す瞬間を聴くと、オール・スターという名前が音楽の組織の仕方になる。この長い終曲を短い抜粋にすると、アルバム全体の重心まで変わってしまう。前半の三場面を一つの面として覚えてから後半へ進むと、曲数は三対一でも演奏の時間と存在感は単純に割れないことが分かる。
曲からたどるアルバム
「Anacaona」の一人を照らす構成と「Quítate Tú」の声の交代を比べ、紹介と合奏の入口も続けて聴く。
Anacaona
三曲目はチェオ・フェリシアーノの声を一つの中心に据える。長い合奏のあとで歌の句が明瞭になるが、ハーロウのピアノが広がる部分まで含めて、この演奏の比率を考えたい。作者ティテ・クレ・アロンソと、この舞台で歌う人物の役割も区別できる。選定は2022年デジタル再発の約七分二十四秒の実演で、旧提供版より約八秒長い差を明示する。別のスタジオ録音へ置き換えたものではない。声の終わりから楽器の応答へ耳を移し、次の句へ戻る動きを追ってみよう。続く「Quítate Tú」では、一人を照らす方法から複数の声へ場所を開く方法へ変わる。二曲を続けて聴く意味が、その違いにある。
参考資料 · Craft Recordings:2022 anniversary release, concert and programmeQuítate Tú
元の第二面全体を占める、約十六分四十五秒の最後の曲。パチェーコとボビー・バレンティンの作曲表記を持ち、複数の歌手が順に登場する。一人が終始主導する歌とは違い、声が替わること自体が大きな出来事だ。同じ応答が戻っても、直前の口調によって印象が変わる。全てを訳す前にも、声の質感、発音の密度、句を終えて場所を渡す方法は比較できる。短い代表場面ではなく、この盤の第四トラック全体を選定した。前の「Anacaona」と合わせると、個人を明瞭に照らすことと集団で交代することが、別々の方法で舞台を組織すると分かる。試聴だけで全歌手の登場順を確認したとは考えないでおこう。
参考資料 · Qobuz / Fania:2022 digital programme, full times and credits
次に聴く一枚
ウィリー・コローンとエクトル・ラボーの『Cosa Nuestra』へ戻り、スタジオの凝縮された歌と、この舞台の長い交代を比較したい。
Cosa Nuestra ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。
- Craft Recordings:2022 anniversary release, concert and programme · craftrecordings.com
- Qobuz / Fania:2022 digital programme, full times and credits · www.qobuz.com
- Craft official LP: original side division · craftrecordings.com
- Record World1972-08-12: contemporary album review Fania00415 · www.worldradiohistory.com