ブルース / シカゴ・エレクトリック・ブルース · 1962
Howlin’ Wolf(ロッキング・チェア盤)
ハウリン・ウルフ
Howlin' Wolf · Howlin' Wolf
この一枚を聴く理由
ざらついた声と短い楽器の応答が、小さな反復の中に大きな緊張を作ります。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
「Spoonful」でウルフが一つの文章を押し出すと、伴奏の音数が多くなくても空間が満たされるように感じます。「Little Red Rooster」を隣に置けば、その力の使い方も一つではないと分かります。大声の歌手を眺める盤としてだけ聴く必要はありません。歌が止まったあと、楽器が何を残すのかを追ってみましょう。荒い響きの中にある、細かな時間の扱いが耳に入ってきます。
椅子を描いたジャケットからロッキング・チェア盤と呼ばれる、1962年のChess作品です。一回のセッションで新たに作った十二曲ではなく、それ以前のシングルを集めています。アルバムの年をすべての曲の録音年と考えないようにしましょう。名前の似た1969年の《The Howlin’ Wolf Album》とも別作品です。静かに見える表紙とは違って、中心にあるのはエレクトリック・ブルースの声とバンドが作る動きです。
声の大きさより文章の位置
ウルフの声はすぐ注意を引きますが、そのざらつきだけに集中すると、バンドが用意する隙間を聞き逃します。短い楽器の形が戻るとき、次の声はすぐ入るのか、少し待つのか。そこを確かめてみてください。同じような言葉でも、置かれる場所が変われば、強い要求にも冗談にも頼み事にも聞こえます。複数のシングルをまとめた盤でも、この声と楽器のやり取りがつながりを作っています。すべての曲が同じ表情になるという意味ではありません。
短い曲の間にある違い
「Shake For Me」から「Little Red Rooster」への移動では、動きを促す感じと時間を残す感じが切り替わります。「Little Baby」のあとには、元のB面冒頭だった「Spoonful」が来て、短い反復が重心をつかみ直します。「Goin’ Down Slow」や「Back Door Man」でも、歌手の態度は一定ではありません。ブルースを一種類の悲しみでまとめず、声の語尾や次の音までの距離を比べてみましょう。簡潔な曲の中にも、かなり違う気分が収められています。
短い録音から聴き直す
「Spoonful」のウルフの録音は1960年に発表され、その後さまざまな演奏へ広がりました。チャールズ・ウェアリングのuDiscover記事はその後の歴史をたどる回顧で、当時の評価をそのまま伝えるものではありません。長い後年の演奏を思い出す前に、この短い録音が期待をどう持続させるかを聴いてみてください。十二曲の流れは「Tell Me」で終わります。終わりから冒頭へ戻ると、大きな変化を重ねなくても、声の出入りだけで異なる話が始まることを改めて感じられます。
曲からたどるアルバム
SpoonfulとLittle Red Roosterを比べ、歌が止まったあとの楽器の応答を追ってください。
Spoonful
短い伴奏の形が戻るたび、声は同じようにその上を通るでしょうか。反復を変えるのは、新しい楽器を増やすことや長い独奏だけではありません。言葉を強く押したり、語尾を少し残したりするだけでも、小さな空間の圧力は変わります。ウィリー・ディクソンの曲で、ウルフの録音は1960年に発表されました。後年の長い演奏から知った人は、この簡潔な版の長さを基準に聴き直してみてください。一つの歌の文と次の反復の間に何を期待するかが手掛かりです。題名の小さな量と強い要求の隔たりも、意味を一つに固定せずに耳を向けられる点でしょう。
参考資料 · uDiscover:Charles Waring,Spoonful retrospectiveLittle Red Rooster
声と伴奏が同時にすべての場所を埋めないことから聴いてみましょう。歌が止まっても文章の印象が残り、楽器の短い動きがそこへ答えるように入ります。この余裕を単に遅いテンポと考えず、次の言葉までどのくらい待たされると感じるかを確かめてください。前の「Shake For Me」から続けると、同じ歌手の力が別の位置に配られることも分かります。表紙の椅子のような静止した場面を想像する必要はありません。少ない音同士が押し引きする動きが中心です。有名な後年のカバーを基準にせず、まずこの録音の声と応答の距離を覚えてみましょう。
参考資料 · Chess official:Howlin Wolf Rockin Chair reissue,originalprogramme
次に聴く一枚
《Moanin’ in the Moonlight》へ戻り、以前のシングル集で声とバンドが作る別の緊張を比較してみましょう。
Moanin' in the Moonlight ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。