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アイドル・モーメンツ

ジャズ / ハードバップとブルーノート · 1965

アイドル・モーメンツ

グラント・グリーン

Idle Moments · Grant Green

この一枚を聴く理由

ギター、ヴィブラフォン、ピアノの異なる響きを六人の交代で聴き分け、表題曲の遅さの外にも進む。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

ギターとヴィブラフォンとピアノが同じ編成に入ると、役割が重なるように思える。だが、この作品ではその重なりが魅力になる。弦を弾く音、金属板を打つ音、鍵盤から生まれる音は、立ち上がったあとに残る響きが違う。グラント・グリーンだけを追っていた耳を、ボビー・ハッチャーソンやデューク・ピアソンへ移してみたい。独奏者が替わっても伴奏は続くが、同じリズムの表面は違って見えてくる。音の高さだけでなく、打音の硬さや消え方を目印にできる編成だ。三つの楽器を一度に追えなくても、聴くたびに対象を替えると合奏の見取り図が少しずつ広がる。

1963年11月4日と15日に録音し、1965年に発表された四曲のアルバム。ジョー・ヘンダーソンのテナー、ボブ・クランショウのベース、アル・ヘアウッドのドラムが加わる。表題曲と「Nomad」はピアソン、「Jean de Fleur」はグリーン、「Django」はジョン・ルイスの作曲だ。独奏だけでなく、曲の材料も分担されている。長い冒頭曲だけを代表にすると、同じ六人が別の材料で何をするかが見えなくなる。

遅い時間の中の選択

表題曲のゆっくりした拍は、何も起きない状態ではない。音をどこで出し、次の音まで何を残すかという選択が目立つ条件である。ギターの短い句とテナーの持続する旋律は、同じ長さの時間を違う形に使う。独奏の交代でもベースとドラムが曲の足場を保つため、前面の音色の違いを聴き取りやすい。一つの気分が続くように感じても、担当する楽器を区別すれば長い曲の中の段階が現れる。

二曲目が変える歩調

「Jean de Fleur」は表題曲のあとで動きを活発にする。最初の曲で覚えた楽器の音が、別の速さでは違う仕事を始める。同じ編成を保ったまま変化するので、ギターとヴィブラフォンの組み合わせにも新たな輪郭が生まれる。曲を入れ替えて好みの雰囲気だけに揃える前に、元の順序で比べたい。静かな背景として流すだけでは見落としやすい、合奏の使い分けがここにある。

終曲にも長い持ち時間

最後の「Nomad」は約十二分十六秒で、表題曲に劣らず長い演奏の場を持つ。長い主役一曲と短い付録三曲、という説明では足りない。その前の「Django」では、モダン・ジャズ・カルテットの演奏と楽器の組み合わせを比べる入口も得られる。四曲を通してから冒頭へ戻ると、遅さは作品全体を覆う性質ではなく、他の曲の運動と並ぶ一つの選択として感じられる。ギターのリーダー作を、六人の共同作業として聴く道筋にもなる。

曲からたどるアルバム

表題曲でギター、ヴィブラフォン、ピアノの響きを区別し、続く「Jean de Fleur」で役割を比べたい。

  1. Idle Moments

    ピアソンが書いた冒頭曲は、この配信で約十四分五十四秒。グリーンが音を出してから消えるまでを追い、ヴィブラフォンやピアノへ替わったときの残響と比べてみよう。遅い拍だからこそ、忙しい曲なら通り過ぎる違いが見えやすい。ヘンダーソンのテナーも別の持続の仕方を加え、その下ではベースとドラムが交代を支える。長い演奏を一色の雰囲気として聴かず、独奏者の変化で区切ることもできる。予想より長いテイクになったという逸話だけで、全体を説明する必要はない。選定音源は元のアルバムの完全な演奏で、短く編集したハイライト版ではない。

    参考資料 · Qobuz / Blue Note — four-track 2013 delivery, composers and durations
  2. Jean de Fleur

    グリーン作の二曲目は、長い表題曲のあとで歩調を変える。約六分五十秒の本来のアルバム・テイクで、再発盤に加えられた長い別テイクとは区別する。各楽器の音を覚えたら、ここではより活発な流れに打音がどう収まるかを比べたい。ギターとヴィブラフォンが似たリズムを作っても、音の終わり方は同じにならない。単に音数が増えたと捉えるより、残る響きの違いが合奏をどう変えるかに耳を向けよう。続く「Django」まで進めば、この曲が前後の演奏の間で果たす役割も見える。独奏だけで完結させず、四曲の配置の中で改めて聴いてみたい。

    参考資料 · Qobuz / Blue Note — four-track 2013 delivery, composers and durations

次に聴く一枚

モダン・ジャズ・カルテットの『Django』へ進み、ジョン・ルイスの同じ曲にギターとテナーが加わることで、編成の可能性がどう変わるか比べたい。

Django ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。