日本の音楽 / ロックバンド・パンク・ヴィジュアル系 · 1986
BEAT EMOTION
BOØWY
この一枚を聴く理由
大きな旋律と短いロック曲を交互に置き、四人のまとまりを鮮明にする。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
B・BLUEとONLY YOUが続く冒頭は華やかだが、BEAT EMOTIONはそこで決まった大きさのまま進まない。NOISE LIMITTERやWORKING MANが短く引き締め、別の曲が再び旋律のための空間を広げる。ポップな輪郭とバンドの推進力が、曲ごとの伸縮を支えている。
1986年11月8日発表の五作目。氷室京介の歌、布袋寅泰のギター、松井常松のベース、高橋まことのドラムという四人の姿は明確だ。ただし制作上の役割は担当楽器だけでは説明できない。氷室も作曲を担い、後半には松井や高橋の書いた詞が現れる。誰の発想から生まれた歌も、一枚の流れの中へ組み込まれている。
早い判断が形を作る
高橋は2004年のインタビューで、それまでの作品のように長いプリプロを重ねず、布袋のデモを基に録音へ入ったと振り返った。リズム録りが短期間で進んだという記憶である。完成した音すべてが一発録りだったという意味ではなく、まず曲の方向を決める合奏が素早く成立したと読める話だ。簡潔な曲が次々に進むこの作品では、そうした判断の速さが音楽の輪郭を考える手がかりになる。
冒頭だけで終わらない
最初の二曲が広い入口を作ったあと、RUNAWAY TRAINとBEAT SWEETを経て、氷室が作詞作曲したNOISE LIMITTERとDON’T ASK MEが続く。作者が変わっても、歌とギターの個性が消えるわけではない。同じバンドのまま、曲の形と表情が移っていく。七曲目のB・E・L・I・E・V・Eまで聴くと、大きな旋律だけでなく、その間を締める短い曲の働きも見えてくる。冒頭の印象を保つために同じ展開を繰り返すのではなく、違う長さを置くことで勢いを保っている。 一曲ずつの強さと、隣り合った時の働きを往復して聴きたい。
後半に現れる書き手
長い題名のSUPER-CALIFRAGILISTIC-EXPIARI-DOCIOUSからDOWN TOWN SHUFFLE、WORKING MANへ進むと、曲の規模がまた変わる。WORKING MANとRAIN IN MY HEARTの詞は松井、DRAMATIC? DRASTIC!の詞は高橋による。四人全員が作詞に関わるという事実は、個別の余興ではなく一枚の連続性の中で聴きたい。最後は氷室作詞作曲のSENSITIVE LOVE。約2分35秒で閉じる選択が、長い大団円とは違う後味を残す。終盤になっても簡潔な形を捨てないことが、アルバム全体の引き締まった印象につながる。
曲からたどるアルバム
冒頭二曲の広がりから短い曲へ移る場面で、合奏の押し出し方を比べる。
B・BLUE
氷室京介作詞、布袋寅泰作曲の一曲目。約3分57秒で歌の輪郭とバンドの勢いを同時に示す。大きなサビが入口になるが、歌の句と句の間へ注意を向けると、ギターやリズムが次の到着点を用意する働きも見えてくる。一曲として完結しながら、続くONLY YOUへ道を開く役目を持つ。ここで選んだのは数あるライヴ盤の演奏ではなく、スタジオ・アルバムの録音だ。二曲を続けて聴いたあとに戻ると、単に音量の大きさではない配置の勢いが感じられる。後半の短い曲を経てから再訪すれば、この入口がどれだけ広く作られているかも分かる。十四曲全体の大きさを測る最初の目印になる曲だ。
参考資料 · BOØWY 35th anniversary — official discography, date and song creditsWORKING MAN
松井常松の詞と布袋寅泰の曲による十曲目。約2分46秒で、前のDOWN TOWN SHUFFLEと後のRAIN IN MY HEARTより短く通り過ぎる。この三曲を続けると、短い形式が後半の密度を高める様子を捉えやすい。歌う人と詞を書いた人が異なることも、このバンドの制作を考える手がかりになる。ベーシストの言葉が、単独の余興ではなく全体の流れへ入っているからだ。高橋の短期間での録音という回想はアルバム全体の話で、この曲の一発録りを証明するものではない。制作の逸話とは別に、少ない時間で合奏が曲の形を決め、次へ進む力を作るところへ耳を向けたい。
参考資料 · BOØWY 35th anniversary — official discography, date and song credits
次に聴く一枚
同時期のサザンオールスターズ『KAMAKURA』では、二枚組の長い構成と電子音の制作が違う規模を示す。
KAMAKURA ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。
- BOØWY 35th anniversary — official discography, date and song credits · boowy35th.com
- Universal Music Japan — BEAT EMOTION, fourteen-track programme and 2017 physical reissue distinction · www.universal-music.co.jp
- BARKS — Makoto Takahashi interviewed by Akira Saeki, 2004 · barks.jp
- Apple Music Japan — Beat Emotion, current fourteen-track edition · music.apple.com
- Qobuz — Universal edition programme, durations and writing credits · www.qobuz.com