映画音楽 / ニュー・ハリウッド · 1963
The Pink Panther
헨리 맨시니
この一枚を聴く理由
有名な主題の先で、短い踊りと静かな旋律が表情を変えていく。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
《The Pink Panther》では、低く歩くリズムにサックスの旋律がそっと重なる。よく知る節でも、音が途切れたあとの小さな応答に耳を向けると、記憶とは少し違う面白さがある。ヘンリー・マンシーニは大声で笑いを説明する代わりに、歩調をずらして次の音を待たせる。
ここで取り上げるのは、1963年のブレイク・エドワーズ監督作品の音楽をまとめた、RCAの全12曲盤《Music from the Film Score》である。映画の音をすべて画面順に並べた完全版でも、シリーズの主題を集めた編集盤でもない。この範囲を決めると、有名な最初の一曲の後にも、短い曲の配置によって独自の時間が生まれていることが見えてくる。
主題の後に耳を残す
冒頭から二曲目の軽快な器楽曲へ進み、三曲目の《Royal Blue》まで続けてみよう。旋律の呼吸が長くなると、同じ音量でも前景と背景の距離が違って感じられる。ゆったりした曲だからといって、伴奏が止まるわけではない。独奏の隙間に残る動きを探し、それから旋律に戻ると、柔らかな音を支える編曲の働きがわかりやすい。主題の楽しさだけで全体を代表させないための入口になる。一曲ごとに印象を決めつけず、隣り合う二曲で一組の呼吸を感じると、短い曲順にも耳を導く工夫があると気づける。
声が入ると変わるもの
《It Had Better Be Tonight》は器楽版と歌入りの版で二度現れる。最初に楽器で追っていた節が、人の息に置き換わるとどこで区切られるか。専門用語を使わなくても比較できる聴き方だ。後半の《Cortina》《The Lonely Princess》《Something for Sellers》も短い単位で続く。題名から場面を推測するより、前の曲が残した速度を次の曲が保つのか、緩めるのかを確かめたい。小さな曲の違いが一枚の輪郭をつくっている。
短い終点の効果
《Piano and Strings》から最後の《Shades of Sennett》へ進むと、穏やかな余韻の後に素早い出口が用意されている。壮大な結末へ伸ばし続けず、この長さで閉じるからこそ、もう一度最初へ戻りやすい。今聴く面白さは、懐かしい旋律を確認することだけではない。踊りに誘う拍と、音を置かずに待つ間が、三十分ほどの中で何度も関係を変える。その変化を追えば、気軽な音楽の中にも細やかな構成が聞こえてくる。曲を知っている耳ほど、旋律以外へ一度注意を移してみる価値がある。
曲からたどるアルバム
主題の小さな間と《Royal Blue》の長い呼吸を比べる。
The Pink Panther Theme
まず低く続く動きを追い、次にサックスの旋律が休む場所へ耳を移す。短い応答が入るだけで、同じ拍も少し違う表情を見せる。選んだのはRCA全12曲盤の冒頭で、現在の配信表記にはRemasteredとある。後年の演奏会用編曲や続編の主題とは分けて確認したい。二度目は旋律を口ずさむ代わりに、その上や間へ差し込まれる短い音だけを拾ってみよう。音の進行を止めずに、着地を少し待たせる働きが聞こえるだろうか。映画の動きを思い出さなくても、歩き続ける伴奏と横を向くような旋律の関係だけで楽しめる。知っている節を知らない角度から聴くための一曲だ。
参考資料 · Apple Music: RCA twelve-track albumRoyal Blue
三曲目では、旋律の長い息と、その後ろで柔らかく続く響きを分けて聴いてみる。静かになったからと音量を上げず、節の切れ目にも残る動きを探したい。この盤では《It Had Better Be Tonight》の器楽版と《Champagne and Quail》に挟まれている。単独なら落ち着いた一曲として聞けるが、前後を続けるとアルバムの速度を変える場所になる。長く保たれる音が消えたあと、次の旋律がどのようにその空間へ入るかにも注意しよう。主題のいたずらっぽい間とは違う余白がある。二曲を比べることで、マンシーニが旋律だけでなく、旋律を置く場所の広さも変えていることが感じられる。
参考資料 · Apple Music: RCA twelve-track album
次に聴く一枚
同じマンシーニの《Breakfast at Tiffany’s》では、歌と短い器楽曲がつくる別の流れを聴ける。
Ben-Hur ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。