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Merry Christmas Mr. Lawrence(戦場のメリークリスマス)

映画音楽 / アジア映画 · 1983

Merry Christmas Mr. Lawrence(戦場のメリークリスマス)

坂本龍一

Merry Christmas Mr. Lawrence · 류이치 사카모토

この一枚を聴く理由

よく知る旋律の先に、異なる電子音と短い場面が続く。ピアノ曲の記憶から、一枚のサウンドトラックへ耳を広げたい。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

表題曲を知っているなら、その次の「Batavia」まで残して聴いてみる。柔らかく記憶していた旋律の隣に違う質感が現れ、同じ盤の表情が変わる。Merry Christmas Mr. Lawrenceは、有名な曲を何度も弾くピアノ曲集ではない。長い旋律と短い音の場面がどう続くかを追うことが、この一枚への入口になる。映画の筋を知らなくても、親しい音から見知らぬ音へ移る感覚はつかめる。題名を確認して終える代わりに、その次を少し待ってみたい。

大島渚の1983年の映画のための音楽で、坂本は出演もしている。参照するApple版は十九曲で、配信の2015年という発売・権利表示と映画の年を分けて考える必要がある。後年のピアノ独奏や演奏会の版、追加資料を集めた拡張盤とも同じものではない。まず知っている最初の曲を入口にしてよい。ただし隣の曲も残しておけば、一つの記憶を確かめる時間から、音盤の順番と響きを知る時間へ移れる。曲目数だけで、どの版も同じ録音だと決めないでおこう。

旋律の周りにも耳を置く

いちばん聞き取りやすいメロディだけでなく、その句が終わった後に残る音にも注意を向けたい。旋律が休むと空間は空くのか、それとも別の動きが続くのか。電子音だから冷たいはず、と先に考える必要もない。近くの物体のように感じる音と、遠くへ広がる響きを分けてみるだけでもよい。一曲を二度聴き、注意を置く場所を変える。楽器名を全部当てることより、その違いを覚えるほうが次に聴く理由になる。

国の名前で音を説明しきらない

坂本は後年のインタビューで、特に日本的な要素だけを使おうとしたわけではないと述べている。Criterionが2023年に紹介した回想であり、1983年の観客全体の受け止め方を示す記録ではない。どこの国らしい音かを決める前に、実際に何が近づいて聞こえるかを試したい。作り手の出身をそのまま音色の意味にせず、違う響きの間にどんな距離を置くかを聴く。馴染みのある呼び方から少し離れると、耳を動かせる余地が残る。

最後に声と出会う

最後の「Forbidden Colors」ではデヴィッド・シルヴィアンの声が現れる。冒頭を覚えたまま到着すると、言葉のない音楽へ歌が加わることで、聴く姿勢がどう変わるか比べられる。英語をすべて訳さなくても、声が入る場所や長くとどまる音は追える。この曲だけを選んでから最初へ戻る聴き方でもよい。場面を一つずつ当てるより、同じ音楽が別の形で近づく瞬間を見つけたい。映画を知っている人にも初めての人にも、その比較は開かれている。

曲からたどるアルバム

冒頭と最後のForbidden Colorsを比べたい。リンク先は十九曲のサウンドトラックで、試聴は一部分のみ。

  1. Merry Christmas Mr. Lawrence

    旋律を知っていると気づいたら、その周りに残る音へ注意を移してみる。独奏ピアノで先に出会った人には、伴奏や響きの違いがよく感じられるかもしれない。Criterionの回顧は、この主題が坂本の演奏や再解釈を通して長く続いたことを記す。後年の歩みと1983年の音楽の位置は分けたい。まず自分がどの版で覚えたかを思い出し、今回の録音では句の後に何が残るか聴く。明るい音は必ず安心につながるだろうか。題名から穏やかな季節の音楽と決めず、緊張も同時に感じられるか試したい。知っている曲を一枚全体の代わりにせず、その先へ進む入口にする聴き方である。

    参考資料 · Criterion: David Hudson, Ryuichi Sakamoto: It All Seems Limitless, 2023 retrospective
  2. Forbidden Colors

    声が現れると何を待つようになるか、考えてみたい。旋律の次の音から、一つの文が終わる場所へ注意が変わるかもしれない。参照するApple版では十九曲目で、紹介文はシルヴィアンの声が主題を歌へ変えると説明する。映画や二人の関係を詳しく知らなくても、その違いは追える。一度は声の長さを、次は後ろにある馴染みの音を聴く。この曲だけを選ぶ場合と、最初の曲に続ける場合も比べてみよう。言葉の意味を読んでも、登場人物全員の心を解く鍵だと決める必要はない。同じ音楽に声が加わることで、感情との距離がどう変わるかを自分の耳で感じたい。

    参考資料 · Apple Music / Milan: Merry Christmas, Mr. Lawrence, nineteen-track digital edition

次に聴く一枚

ヴァンゲリスのBlade Runnerへ。広い電子音の背景に、近く感じる旋律がどう置かれるかを聴き比べたい。

Blade Runner ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。