ポップ / シンセポップとニューロマンティック · 1981
Dare
The Human League
この一枚を聴く理由
整った電子の拍の中で、声は同じ方向だけを向かない。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
最後のヒット曲を知っていても、そこへ至る道は改めて聴ける。すぐに口ずさめる歌から暗く広い空間へ進み、終わりで声の関係が変わる。一定の拍があるからといって、全曲が同じ気分になるわけではない。《Dare》では小さな反復の周囲に、人の距離が生まれる。
シェフィールドで出発したヒューマン・リーグが1981年に発表した三作目。マーティン・ラシェントと制作し、1982年4月号に掲載された本人へのインタビューはGenetic Soundでの仕事を伝えている。機器の名前だけでなく、繰り返す音を歌の形にする働きを聴きたい。リンク先は十曲版で、2003年の著作権表示を原盤の発売年とは区別する。リミックス集や別作品との合本でもない。
声の前から一つの形を追う
冒頭で短い電子音の形を一つ選び、歌が始まっても追い続けてみよう。伴奏の枠は保たれていても、発音や句の長さは別の場所へ注意を向ける。「Open Your Heart」「The Sound of the Crowd」は入りやすい歌だが、魅力は覚えやすい旋律だけではない。少数の動きが繰り返される中で、声がどこに入るかによって空間が変わる。機械は冷たく、人は温かいという分け方を急がず、同じ拍を両者がどう使うか聴く方が発見は多い。
途中の暗さも残して聴く
「Darkness」「Do or Die」のあと、短い「Get Carter」が続くと、長い歌を聴いてきた耳に違う大きさの時間が入る。その先の「I Am the Law」「Seconds」まで、最後の有名曲を待つだけの区間にはしたくない。反復が不安や距離を作ることもある。同じ音量で続け、声の周りにどれだけ空間があるように感じるか比べよう。踊れるリズムと明るい感情は同じではない。歌が休んでも残る音を追うと、変わらない拍の中に別の重さを見つけられる。曲間の変化も一緒に聴きたい。
終わりで変わる話の向き
最後は「Love Action」と「Don’t You Want Me」が続く。後者では別の声が入ることで、それまでの話がどう聞き直されるかを確かめたい。歌の人物を実際の歌手の私生活と同一視しなければ、二つの見方の距離が残る。繰り返しを一緒に歌えることと、すべての立場が一致することは別だ。今日この十曲へ戻る理由も、昔の機材を当てるだけではない。限られた音の形と異なる声が、同じ枠の中でいくつの表情を作るかを聴けることにある。終曲を聴いたあと冒頭へ戻れば、明るい入口の受け取り方まで少し変わる。
曲からたどるアルバム
Get Carterから続く暗い二曲を残し、最後に声が交代する瞬間を聴こう。
Don't You Want Me
まず有名な繰り返しより、二つ目の声が入る場所を聴きたい。違う話し手が現れたあと、同じ伴奏の聞こえ方も変わるだろうか。原盤と現在の十曲版で最後に置かれるため、前の暗い歌を通った耳には、単独のヒット曲とは別の重さがある。歌の人物を歌手本人の告白と決めず、異なる見方を語る声として聴こう。もう一度は声と声の間に残る短い電子音を追ってみたい。馴染みの部分が戻っても、その間に聴いた話は消えない。同じ旋律を知っていることと、二人の立場が同じになることは別である。小さなポップの枠の中に、その距離を残して聴ける。
参考資料 · Apple Music: ten-track Dare editionSeconds
終盤の二曲を待つ前に、この反復をしばらく追ってみよう。拍が前へ進む中で声は軽く浮くのか、それとも別の重さを加えるのか。曲順では「I Am the Law」のあと、「Love Action」の前にあり、雰囲気の変化を比べる位置でもある。最初は低い音の動き、次には歌が休んだあとに残る音を選びたい。小さな変化で、同じ型が狭くも広くも感じられる。電子のリズムを単純な楽しさの合図と決めないとき、一定の拍が緊張を保つ方法も見えてくる。曲が終わって次へ進む瞬間まで聴けば、一枚の中に違う明るさがあることが分かる。
参考資料 · Apple Music: ten-track Dare edition
次に聴く一枚
Soft CellのNon-Stop Erotic Cabaretと、電子の反復と声が作る距離を比べたい。
Non-Stop Erotic Cabaret ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。