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Faith

ポップ / 1980年代ポップ · 1987

Faith

George Michael

この一枚を聴く理由

短いロックンロール的な動き、長いバラード、組み立てられたダンスのリズムを、歌手自身の制作感覚でつなぐソロ第一作。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

『Faith』を冒頭の一曲だけで判断すると、ギターを中心にした軽快なレトロ・ポップを予想するかもしれない。だが、続く「Father Figure」はすぐにその予想の速度を変える。短く引き締まった曲と長く展開する曲を並べることで、ジョージ・マイケルは異なる音楽を提示する。有名なサビだけでなく、その大きさの差をたどりたい。

1987年発表の初ソロ・アルバム。リンク先は2010リマスター表記の10曲版で、原LPの9曲の後に「A Last Request」が続く。初版CDの追加曲をすべて再現した構成ではない。3曲目の「I Want Your Sex」はパート1と2をまとめた長いトラックで、最後に置かれたパート3とは別の項目だ。まず「Kissing a Fool」までの9曲を一つの流れとして聴いてみよう。

最初の二曲で変わる時間の使い方

「Faith」は3分余りだが、「Father Figure」は5分を超える。この違いを、単に遅い曲だから長いと考えず、一つの歌の句が形になるまでの時間として聴きたい。前者のギターは短い単位を明確に刻み、後者はより長い旋律と歌の余韻で別の規模を作る。同じ音量で続けて聴き、ドラムの拍だけでなく、一つのフレーズが終わる位置を比べるとよい。同じ歌手でも、曲の時間は異なる方法で設計できる。

制作を導くことと演奏すること

エンジニアのクリス・ポーターによると、表題曲のギターはヒュー・バーンズが弾き、マイケルは求めるフレーズを歌って伝えた。制作を主導することは、全楽器を自分で演奏することと同じではない。この区別を覚えておけば、映像でギターを持つ姿と実際の録音の役割を混同しないで済む。短いソロの各部分が前後とどう結びつくかを聴こう。歌手の構想と演奏者の技術、編集の判断が一曲へ集まっている。

最後まで同じ勢いでは進まない

原LPの終盤では「Monkey」から「Kissing a Fool」へ移る。前の曲で追っていたリズムの勢いが、次でも同じ方法で続くのかを比べてみたい。歌を支える楽器と旋律の強調点がどう変わるかにも耳を向けよう。ここで原LPの終わりを一度感じてから、追加の「A Last Request」へ進むと構成を捉えやすい。ヒット曲の周囲で同じ作風を繰り返す盤ではなく、長さと演奏のあり方が異なる曲を並べた作品として聴くと、よく知るシングルにも別の役割が見えてくる。曲順そのものが音楽の幅を説明している。終盤の二曲を続けることで、冒頭とは別の着地点も確かめられる。

曲からたどるアルバム

冒頭二曲の長さと歌の句を比べ、MonkeyからKissing a Foolへ進む原LPの終わりを聴く。

  1. Faith

    約3分13秒の冒頭曲では、ギターの短いリズムが曲の形を明確にする。エンジニアのクリス・ポーターはヒュー・バーンズを演奏者として挙げ、マイケルが求める句を歌って伝えたと回想する。映像でギターを持つ歌手の姿だけで録音の担当を判断しないでおこう。馴染みのサビへ頭の中で飛ばず、導入からリズムが定着する瞬間を追いたい。短い曲でも導入、歌、ギター・ソロは別々の役割を持つ。自然で簡潔に感じられる結果と、簡単に作られたという説明は同じではない。終わったら次の曲の長い展開と比べ、この一曲がどれほど小さな枠に整理されているかを感じてみよう。

    参考資料 · Chris Porter firsthand studio interview, Sound On Sound March 2013
  2. Father Figure

    約5分37秒の二曲目は、アルバムの規模を早くも広げる。表題曲の簡潔な推進力をそのまま続けず、長い旋律を置いた点に注目したい。一つの句の終わりでは拍だけを数えるより、残る歌の響きと伴奏が次の文へどう続くかを追ってみよう。同じ歌手でも時間の使い方が違って感じられる。題名が示す関係を、そのまま本人の私生活に結びつける必要はない。まず録音の中で演じられる人物と情感をたどればよい。その後には複数の部分が続く、さらに長い「I Want Your Sex」が来る。冒頭の三曲を一緒に聴くと、一曲目の印象だけでは一枚を説明できない理由が分かる。

    参考資料 · Apple Music: Faith 2010 remastered ten-track edition

次に聴く一枚

『So』と比べ、異なる音楽を制作の判断と曲順がどう一枚へまとめるかを聴く。

So ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。