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Odessey and Oracle

ロック / ブリティッシュ・インヴェイジョンと60年代ポップ・ロック · 1968

Odessey and Oracle

ザ・ゾンビーズ

Odessey and Oracle · The Zombies

この一枚を聴く理由

明るい旋律と重なる声の奥に、待つことや失うことの別の表情がある。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

最初の曲の弾むピアノと重なる声だけを聴けば、すべてが幸福に向かうアルバムのようにも思える。ところが、歌が描く事情はいつも音の明るさと同じ方向を向いてはいない。短いポップ・ソングの内部で、和声と人物の気持ちが少しずれる。その隙間が、もう一度聴きたくなる理由になる。

ゾンビーズが1968年に発表したセカンド・アルバム。公式の紹介では全十二曲、約三十五分のプログラムとなっている。2015年のGoldmineインタビューでロッド・アージェントは、クリス・ホワイトと自分で制作を担い、自由に考えを実現しようとした過程を振り返った。これは制作意図を知る手がかりであって、すべての音を説明する答えではない。完成した曲では、長い演奏へ拡張するより、短い区間ごとに声や鍵盤の色を組み替えることで景色が変わる。

明るさだけではつながらない

「Care of Cell 44」で開いた空間は、「A Rose for Emily」で小さくなる。「Beechwood Park」と「Hung up on a Dream」には、それぞれ違う遠さがある。後半の「This Will Be Our Year」の楽観が、そのまま「Butcher’s Tale」に続くわけではない。最後の有名曲「Time of the Season」だけを待つと、この曲間の変化を通り過ぎてしまう。独立したヒット曲として知る曲も、異なる場面をたどって到着すると、終曲としての役割が聞こえてくる。

当時の広告と後年の批評

1969年3月8日付Record Worldには「Time of the Season」を前面に出した本作の広告が載った。これは当時の販売促進の記録であり、独立した批評ではない。現在のバンド公式紹介も、初期の限られた注目と後の再評価を区別している。2004年のPitchfork評でリアム・シンガーは、装飾的なイメージより簡潔な作曲と暗い側面に目を向けた。違う時点の異なる資料を、一貫した絶賛の歴史としてまとめないことが大切だ。

原録音をモノで聴く

案内するのは2025年のBeechwood Park Recordsによるモノ・リマスター。1968年の十二曲の順序を保ち、後の記念公演の演奏ではない。左右に大きく分かれる配置ではなく、一つの像の中で主旋律と周囲の声の関係を聴ける。まず歌を普通に追い、次には後ろの声を一つ選んで、その出入りに集中してみよう。単なる飾りに聞こえた部分が、曲の感情を動かしていることに気づくかもしれない。モノとステレオの優劣を決めるより、この版の中で何がどう重なるのかを確かめたい。

曲からたどるアルバム

Care of Cell 44の声の重なりを追い、Time of the Seasonの声の間にある余白と比較する。

  1. Care of Cell 44

    弾む音を楽しんだら、後ろから入る声に注意を移してみよう。同じ旋律を厚くするだけでなく、句の進む方向を少し変える働きが聞こえる。Goldmineでアージェントは、収監されている相手の帰りを喜んで待つ発想だったと説明した。明るい曲調とその条件を重ねると、第一印象は複雑になる。ホワイトは多くの和声部分を合わせる難しさも回想している。最初は主旋律を、次は一つの後声の登場と退場を追ってみたい。物語を知っても、演奏の浮き立つ動きを否定する必要はない。音の明るさが単純さを意味しないことを、短い時間で体験できる入口だ。

    参考資料 · Goldmine: Ken Sharp interviews Rod Argent, Chris White and Colin Blunstone, 2015
  2. Time of the Season

    繰り返すリズムの土台の上で、声と鍵盤が交互に前へ出る。目立つ旋律だけでなく、歌が止まった後に残る隙間と、そこへ入る音を聴いてみよう。声で埋め尽くさないことで、同じグルーヴに独特の余裕が生まれる。二度目には土台を頭に保ち、その上で変わるものだけを追うとよい。鍵盤の展開も、曲そのものを取り替えるのではなく、同じ場所に違う輪郭を描くように聞こえる。最後に「Friends of Mine」から続けて聴き、単独で選んだときと比べたい。異なる人物や雰囲気を経た後では、この落ち着いた歩みが終曲として作る印象も変わる。

    参考資料 · Apple Music US: Mono Remastered twelve-track programme

次に聴く一枚

キンクスのVillage Green Preservation Societyへ進み、短い人物の歌と親しみやすい旋律の間に生まれる距離を比べよう。

The Kinks Are the Village Green Preservation Society ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。