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ムーヴィング・ピクチャーズ

ロック / プログレッシヴ・ロック · 1981

ムーヴィング・ピクチャーズ

ラッシュ

Moving Pictures · Rush

この一枚を聴く理由

歌のある曲と器楽曲を比べ、三人の独立した動きが覚えやすい形の中でどう結び付くかを聴ける。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

Tom SawyerとYYZを並べると、ラッシュへの二つの入口が出来る。前者では歌の間にも楽器が独自に動き、後者では声を伴わずその関係が前に出る。最も難しいパートの順位を決めるより、異なる動きがどう一つの曲に収まるかを聴きたい。複雑さは必ず長時間の説明を要するわけではない。短く覚えられる形の中に複数の方向があり、それが七曲をもう一度聴く理由になる。三人の技量という評判を、実際の合奏の関係へ移して受け止められる盤だ。

一九八一年の第八作で、録音とミックスは八〇年秋、ケベックのル・スタジオで行われた。ゲディ・リー、アレックス・ライフソン、ニール・パートが中心で、ラッシュとテリー・ブラウンが制作する。三人だから音色も三つだけということではなく、鍵盤や多様な打楽器がギター、ベース、ドラムの関係を広げる。今回は原七曲を保つ現行リマスターを選び、記念盤のトロント公演追加分は含めない。二〇一三年の権利表記と作品の八一年発表は区別している。

歌があっても単純な伴奏ではない

冒頭の歌声を追った後、ベースとドラムへ注意を移してみよう。覚えやすい旋律があっても、他の奏者が拍を埋めるだけとは限らない。ギターと鍵盤の色が加わるところまで残すと、知った部分にも複数の層が見える。一度に全部分析しようとする必要はない。同じ箇所へ違う楽器を中心に戻れば、推進の作り方が変わって聞こえることもある。歌の明快さと合奏の複雑さは、互いを消さずに共存できるのだ。

器楽曲も曲順の中にある

YYZはトロント・ピアソン空港の識別コードに由来する題名だ。由来を知れば名前の壁は低くなるが、空港の風景を必ず想像する必要はない。奏者同士の交換や方向転換が、そのまま音楽の物語を作ると考えてみよう。声がないから中心まで失われるわけではない。二つの歌を通った後にこの曲を聴き、Limelightの歌へ戻る配置にも意味がある。器楽と歌唱を、どちらが上かという競争に分けずに経験できる。

前半四曲の印象を越えて

印象的な前半の後には十分を超えるThe Camera Eyeが置かれる。最初の四曲の簡潔さだけで全体を説明すると、この規模の変化が消えてしまう。その後のWitch HuntとVital Signsまで聴き、長い場面から再び短い形式へ戻る過程を残したい。大曲のバンドかラジオ向きの歌のバンドか、二つのどちらかに決める必要はない。七曲の順番は、異なる長さと合奏の方法が一枚にどんな割合で入るかを示している。前半だけで再生を止めないでみよう。

曲からたどるアルバム

Tom Sawyerの歌唱中の楽器の動きとYYZを比べ、長いThe Camera Eyeの位置まで聴く。

  1. Tom Sawyer

    最初は声と強いリズムの輪郭が記憶に残るかもしれない。次には歌が続く間のベースとドラムの関係を聴こう。すべてが同じ線をなぞるわけではないが、曲が散らばるとも限らない。ギターと鍵盤の色が加わる瞬間まで残すと、知った区間がより立体的になる。拍子の細部を正確に数えることが入口の条件ではなく、何が覚えやすく何が動き続けるかに気づけばよい。今回は正規スタジオの冒頭曲で、同名のトロント公演ではない。後でYYZと比較すると、歌のある間にも合奏の個性がどれほど保たれていたかを考え直せる。声と楽器を別々の価値へ分けずに聴いてみたい。

    参考資料 · Qobuz / Universal: matching seven-track remastered distribution
  2. YYZ

    歌のない間、何が中心を作るか聴いてみよう。ギターが前へ出ても、ベースとドラムは無色の土台だけにはならない。奏者の間で注意を移すと、短い曲にも複数の動きがある。題名はトロント・ピアソン空港の識別コードだが、すべての音を説明する答えとして使う必要はない。部分が組み合わさり、一緒に向きを変えるところから始めればよい。個人技を賞賛するだけでなく、どんな形が戻って曲を結ぶかに注意したい。今回は第三曲のスタジオ版で、長い独奏を含む公演版とは区別する。Red BarchettaとLimelightの間へ戻すと、歌のある盤で器楽曲が作る比率も見えてくる。

    参考資料 · Rush official album credits and original track order

次に聴く一枚

イエスの《Close to the Edge》へ進み、七曲へ凝縮した複雑な合奏と三曲で広く展開する形式を比較する。

Close to the Edge ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。