GROOVE ARCHIVE
← ブルース
The London Howlin' Wolf Sessions

ブルース / ブルース・ロックと英国ブルース・ブーム · 1971

The London Howlin' Wolf Sessions

ハウリン・ウルフ

The London Howlin' Wolf Sessions · Howlin' Wolf

この一枚を聴く理由

リハーサルの会話と完成した演奏を並べ、知っていた曲を新しい合奏の中でもう一度学ぶ過程を伝える。

音楽と一緒に読む

収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

『The London Howlin’ Wolf Sessions』では、Red Roosterの中断した演奏と会話が、本編の直前に置かれている。うまくいった結果だけでなく、どう曲を合わせるかを交わす瞬間も音盤の一部にする選択だ。有名な参加者の名前より、この短い区間が協働の性格を具体的に示す。曲を知っていることと、その歌手の前で一緒に演奏することは同じではない。後の完成した演奏にも、音の進行だけでなく互いの位置を探した過程が重なって感じられる。

1970年にロンドンで録音し、1971年に発表した作品。エリック・クラプトン、ビル・ワイマン、チャーリー・ワッツら英国のロック奏者が参加するが、長年ウルフと組んだギタリスト、ヒューバート・サムリンも重要な接点になる。原盤は制作をノーマン・デイロン、エンジニアをグリン・ジョンズと記す。ロンドン録音の後にはシカゴでの追加作業もあった。全員が同じ部屋で一度だけ演奏したジャムより、複数のセッションを組み立てたアルバムである。

名前の大きさと経験

クラプトンは後年、必要なパートを自分よりサムリンの方が知っていたと振り返った。スターが古い音楽を救ったという単純な物語とは違う視点だ。ウルフとサムリンの間には、すでに長い実践からできた音楽の関係がある。客演者はそれを一から作るのでなく、その中へ入っていく。短く切るギターと長く押す歌がかみ合う部分でも、技術を見せるだけでなく互いの役割を探す仕事が重要になる。

二曲目で変わるリズム隊

I Ain’t Superstitiousにはリンゴ・スターとクラウス・フォアマンが参加する。原盤のRichieというドラム表記は、参加者たちの後年の回想とも結び付く。大きく名前を掲げるワイマンとワッツが、全曲で同じリズム隊を組むわけではない。最初のRockin’ Daddyから次へ移る短い間にも、奏者と拍動の変化がある。大きなボーカルの前でベースとドラムは動きを保ちつつ、歌の長短の曲がり方を受け止める。

会話の後にも曲は続く

原盤の第二面ではBuilt for Comfort、Who’s Been Talking?の後にRed Roosterの二項目が並ぶ。その後にもDo the Do、Highway 49があり、Wang Dang Doodleが最後を締める。リハーサルの逸話一つが全体の結論を代行する順序ではない。違う性格の短い演奏が続き、注意は説明から実際の合奏へ戻る。比較的長い終曲は、それまでの簡潔な曲の後で、少し広い結びの場所を作る。顔ぶれを知った後に、その配置を追う面白さが残る。

曲からたどるアルバム

I Ain’t Superstitiousのリズム隊とRed Rooster本編の遅い進行から、同じ企画の中で合奏の重さが変わる点をたどれる。

  1. I Ain't Superstitious

    二曲目では、リンゴ・スターのドラムとクラウス・フォアマンのベースが参加する。サービスの長い客演者表記より、原スリーブの曲別区分が実際の編成を知る助けになる。歌は短い句を明確に出したり、長く押したりし、伴奏はその曲がり方を消さずに拍動を作る。冒頭から続く位置も、一つのリズム隊だけが全曲を演奏しているのではないことを示す。既に個性を確立した歌手を、新しい組み合わせの奏者がどう支えるかが面白い。ギターの返答も毎回長いソロへ広がるのではなく、短い曲の大きさに収まる。多くの名前を確かめる楽しさの先に、歌と反応の長さを合わせる具体的な仕事がある。

    参考資料 · Original 1971 Chess sleeve: archived track list and personnel transcription
  2. Red Rooster

    選んだのは九番目の中断と会話ではなく、その次にある約四分の本編だ。ゆっくり進む曲では、歌が終わる位置とギターが続ける長さがよく見える。原スリーブは、この曲でウルフがアコースティック・ギターも弾くと記す。完成済みの伴奏に歌を乗せるだけでなく、進行を楽器でも示す参加者だったという情報である。前のリハーサルを知ると、後の合奏も自動的に成立した結果には感じられない。ただし二項目は連続した同じテイクではなく、デイロンの回想では別の日の場面である。隣接する配置は時間順の完全な再現より、曲を合わせる過程と成果を一か所へまとめる編集だ。その違いを保って聴くと、アルバムの構成も理解しやすい。

    参考資料 · Original 1971 Chess sleeve: archived track list and personnel transcription

次に聴く一枚

ジョニー・ウィンターの『Second Winter』へ進み、ブルースの先達の曲を新しい編成で扱う仕事と、自分のバンドの音盤構成を比べよう。

Second Winter ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。