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アメリカン・レコーディングス

フォーク・カントリー / アウトロー・カントリーとアメリカーナ · 1994

アメリカン・レコーディングス

ジョニー・キャッシュ

American Recordings · Johnny Cash

この一枚を聴く理由

殺人の物語、祈り、戦争の記憶、風刺が一本のギターの前に並び、曲を選ぶ力が現れる十三曲。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

ギター一本と歌だけの編成でも、物語まで一種類にはならない。「Delia’s Gone」で始まり、「Why Me Lord」「Thirteen」を通り、カウボーイの祈りを導入に持つ曲も現れる。短い歌の間で語りの規模が変わるところが面白い。年を重ねた歌手の寂しい独白とまとめる前に、何をどの順序に置いたかを見たい。同じ編成が異なる文学的な場面を受け入れる方法が聞こえてくる。

1994年に始まったリック・ルービンとの連作の第一作。ルービンは後年、最初から答えが決まっていたのではなく、別の編成や方法も試したと話す。二人は好きな曲を交換し、キャッシュが自分に響くものを選んだ。結果の単純さを制作上の判断がなかったという意味に変えてはいけない。自作曲とニック・ロウ、レナード・コーエン、トム・ウェイツ、ラウドン・ウェインライト三世らの曲が同じ十三曲に収まる。

作者の違う隣り合う歌

ロウの「The Beast in Me」の後に自作の「Drive On」が来る。歌う人が同じでも、二曲の語り手まで同一とは限らない。戦争の記憶を扱う歌を、歌手自身の軍歴そのままと読むことも避けたい。ギターが連続する足場を与える間に、内容と文の長さが変わる。別の作者を歌うことは自分の表現を失うことでも、全部を自伝にすることでもない。簡潔な形でも異なる経験を受け止められると分かる。

言葉と歌の間にある入口

七曲目の「Oh, Bury Me Not」には「A Cowboy’s Prayer」という導入が含まれる。追加曲や別トラックの一部と見落とさず、原作の中の語る時間として残そう。短い歌が続いたところへ話す調子が入り、次に「Bird on a Wire」へ進む。大きな管弦楽の前奏がなくても、盤の比率は変えられる。語りから歌へ移ることだけで、曲と曲の間に異なる入口が生まれる。声量を上げることとは別の、形式を変える方法として聴いてみたい。

長い列車の歌の後に残る終わり

「Tennessee Stud」の後の「Down There by the Train」は約五分三十五秒と長い。しかし終曲ではなく、「Redemption」「Like a Soldier」を通って「The Man Who Couldn’t Cry」で閉じる。祈りや救いを一つの結論にすると、その後の違う性格を失う。また全録音が同じ部屋から来たわけではなく、二曲のライブ演奏も含む。小さな編成でも聴衆や場所の条件は変わりうると知れば、単純な一人語りの印象から離れ、盤の配置に耳を開けるだろう。

曲からたどるアルバム

The Beast in MeからDrive Onへ続け、七曲目の語る導入と、十曲目の後に残る三曲まで順序を保とう。

  1. Drive On

    キャッシュが書いた四曲目で約二分二十四秒。戦争を経験した人物の記憶を扱うが、語り手を歌手本人と即座に重ねない方がよい。短いギター中心の形に、簡単には要約できない題材が入る。直前のロウ作「The Beast in Me」から聴けば、他人の歌から自作へ移る時に何を保ち何を変えるか考えられる。文が終わり次の話が始まる時も、ギターの動きと語りの関係を追ってみたい。旋律が簡潔だから経験まで単純とは限らない。「Why Me Lord」まで続け、単独の勝利の物語で結論づけず、異なる問いが続く配置を残そう。第一作のアルバム演奏を選んでいる。

    参考資料 · Qobuz / American Recordings: album versions, durations and writers
  2. Down There By the Train

    トム・ウェイツ作の十曲目で、現行版では約五分三十五秒。前の短い「Tennessee Stud」と比べると、同じ小編成でも時間を広げる方法が違うと分かる。反復を飛ばす部分とせず、戻るイメージがどんな重みを得るか追いたい。題名の列車を盤内の別の列車の歌と同じ事件に結ぶ必要はない。作者と曲の役割を分ければ、異なる出典の歌を一人のアルバムへ集める仕事が見える。この長い曲の後にも「Redemption」「Like a Soldier」と最後の物語が残る。ここで止めず終曲まで進み、単独の名曲を聴く時とは違う配置の意味を受け取ろう。

    参考資料 · Qobuz / American Recordings: album versions, durations and writers

次に聴く一枚

『At Folsom Prison』へ進み、異なる聴衆とバンド編成の前でキャッシュが曲間の流れを作る方法を比べたい。

At Folsom Prison ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。