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ザ・リアル・マッコイ

ジャズ / モード・ジャズ · 1967

ザ・リアル・マッコイ

マッコイ・タイナー

The Real McCoy · McCoy Tyner

この一枚を聴く理由

五つの自作曲と新しい仲間の組み合わせが、ピアニストの新たな章を形にする。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

『The Real McCoy』は、タイナーが初めて自分の名で作ったアルバムではない。コルトレーンと活動していた時期にも、インパルスでリーダー録音を行っていた。1967年の本作が開いたのは、ブルーノートのリーダーとしての第一章である。伴奏者が突然作曲家に変わったという話ではなく、すでに自分の音楽を持つ人物が、別の仲間と五曲を並べた仕事として捉えたい。

ピアノのタイナーに、テナーのジョー・ヘンダーソン、ベースのロン・カーター、ドラムのエルヴィン・ジョーンズが加わる。ジョーンズとの共演歴は続いていても、サックスとベースはコルトレーンの定番カルテットと異なる。楽器の種類が同じことと、バンドの関係が同じことは別だ。しかも収録曲はすべてタイナー作。演奏者としての個性だけでなく、四人にどんな曲を用意するかという選択が、アルバムの中心にある。

長い二曲の表面

元のLPの表面は「Passion Dance」と「Contemplation」の二曲だけで構成される。現行配信では前者が八分台、後者が九分台で、最も長いのは二曲目である。冒頭に大きな演奏を置いてから、さらに長い曲へ進む。この順序を考えると、第一曲だけを突出した見せ場として扱う必要はない。踊りと内省を思わせる題名を持つ二曲に、それぞれ十分な広がりを与えている。

裏面に残るブルース

裏面には「Four By Five」「Search for Peace」「Blues on the Corner」が並び、三曲とも約六分である。長い二曲から三つのまとまりへ移ることで、後半の比例が変わる。特に、平和を探す曲のあとにブルースが残ることに注目したい。穏やかな地点を、そのまま全体の終着点にはしない。最後の一曲まで含めると、強さから静けさへ一直線に進むという説明より、いくつもの方向を持つ作曲集という姿が見えてくる。

四人のための音楽

管楽器はテナー一本で、トランペットを加えた二管編成ではない。ピアノの和音と一本の管の旋律が異なる役割を持ち、ベースとドラムも同じ曲の形づくりに参加する。リーダーであることを、すべての場面で前に出ることと考えなくてもよい。仲間が入ってくる音楽を作ることも、その役割だからだ。最後のブルースは長い冒頭二曲に比べて付け足しなのではなく、タイナーの作曲家としての輪郭をもう一方から示す位置にある。五曲全体を見ると、以前のバンドから受け継いだ経験と新しい組み合わせが同時に働いていることがわかる。

曲からたどるアルバム

表面の長い二曲と裏面の三曲を分けて捉え、「Search for Peace」のあとにブルースが続く配置も確かめたい。

  1. Passion Dance

    元のLPの冒頭に置かれ、現行配信で約八分四十五秒を占める。短い挨拶で四人を紹介するのでなく、最初からまとまった広さを与える選択である。ピアニストの技巧を見せるために選んだ既存曲ではなく、自作五曲の第一曲という位置も大切だ。テナーを常に主役、ピアノを常に背景と決めず、異なる楽器が同じ曲に参加する関係として捉えられる。次の「Contemplation」はさらに長い。冒頭曲を唯一の大作と見るより、表面を支える二本の柱の一方として聴くと、続く曲にも相応の重さが生まれる。長さと曲順が、演奏そのものの印象を支える例である。

    参考資料 · Blue Note official store — original five compositions, LP sides and quartet personnel
  2. Search for Peace

    全五曲の四番目で、LP裏面では真ん中にある。題名から最後の挨拶を想像しても、実際にはこの先に「Blues on the Corner」が待っている。平和はアルバム全体を閉じる結論ではなく、その途中に置かれた一つの方向となる。同じピアノ、テナー、ベース、ドラムが揃い、対照を作るために別の楽器を呼び込むわけではない。作曲と演奏の選択が四人の組み合わせに別の表情を与える。前後の曲と並べることで、タイナーの強い打鍵だけでは説明できない作曲家としての幅も見えてくる。最後のブルースを残しているという配置が、この曲の役割をいっそう鮮明にする。

    参考資料 · Blue Note official store — original five compositions, LP sides and quartet personnel

次に聴く一枚

『A Love Supreme』へ戻り、タイナーとジョーンズがコルトレーン、ジミー・ギャリソンと作る連続した四部と、ここで独立する五曲の構成を比べたい。

A Love Supreme ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。