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ヴェスパタイン

ポップ / アート・ポップ · 2001

ヴェスパタイン

ビョーク

Vespertine · Björk

この一枚を聴く理由

中央の短い器楽曲と長い最後の歌を通して、細かな打音が大きな編成の中に居場所を得る。

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収録曲・試聴

日本語編集版

アルバムの物語

中央に置かれた「Frosti」は一分四十一秒ほどしかない。それでも「Pagan Poetry」と「Aurora」の間で歌が退き、小さな音の動きが前へ出ることには意味がある。短い接続部分として通り過ぎなければ、盤全体の大きさを見る方法も変わる。近くに感じる打音と長く広がる編成は、互いを消す必要がない。小さい音だから短い曲になる、という単純な対応を超えるところが、この作品への入口になる。

2001年の十二曲はビョークの作曲と制作を中心に、複数の協力者の仕事を含む。トーマス・ナックは「Cocoon」の共同制作と作曲に、マーティン・コンソールは「Heirloom」に名を連ねる。ジーナ・パーキンスのハープやヴィンス・メンドーサの弦の編曲も、各曲の記録から確かめられる。電子的なリズムを全部一組の外部チームへ帰したり、完成した伴奏に歌を乗せただけと説明したりすると、その違いを失ってしまう。

音量だけでは決まらない規模

「Hidden Place」と「Cocoon」の近い質感に慣れたら、「It’s Not Up to You」と「Undo」まで続けてみたい。細かな音で作られた曲も十分に長い形を持つ。静かな印象を単純さと同一視せず、繰り返すリズムの一つを掴み、その上を進む旋律へ注意を移そう。全ての音をすぐ特定する必要はない。一層ずつ追う方法なら、密に組まれた編曲にも辿れる道が生まれる。豊かな響きの中に小さな動きが残ること自体を楽しめる。

短い器楽曲で変わる前景

「Pagan Poetry」の後の「Frosti」では、歌の代わりに短い音の連なりそのものへ注意が向く。続く「Aurora」へ進めば、材料が変わるところと感覚が続くところを分けて探せるだろう。作曲者が一つの物語を指定したと断定する必要はない。十二曲を順番に聴く時に起こる経験として残せばよい。前には伴奏と思えたものが、周囲の編成によって主な出来事にもなる。曲名を知っているだけでは気づきにくい、この置き方を耳で確かめたい。

結末で広がる時間

後半の「An Echo, a Stain」と短い「Sun in My Mouth」は、全曲が同じ比率で進むという期待をずらす。「Heirloom」「Harm of Will」を通ると、最後には現行版で約六分四十六秒の「Unison」が待つ。冒頭で身につけた細部への集中を、この長い結末にも持ち込める。親密さを小規模な音楽だけに閉じ込めない方がよい。電子音と生の楽器を対立させるより、それぞれの長さと響きが一曲を進めるためにどう働くかを考えよう。

曲からたどるアルバム

Pagan PoetryからFrosti、Auroraへ続け、短い器楽曲と長いUnisonが盤の中で占める場所を比べよう。

  1. Pagan Poetry

    五曲目にある約五分十五秒のアルバム曲。ビョークの作曲と制作、パーキンスの追加編曲、マリウス・デ・ヴリーズとジェイク・デイヴィスのプログラミングが記される。ただし個々の音の担当まで即座に割り当てる資料ではない。短く反復する音と長い歌の句が、別の時間を作るところを追ってみよう。一度は旋律を中心に、次には背後の反復を中心にすると同じ曲の形が変わる。終わったら「Frosti」へ直接進みたい。長い歌の後に小さな器楽曲が置かれる差は、代表曲を単独で聴く時には失いやすい。映像用編集やリミックスと混同せず、ここではスタジオ盤の順序を入口にする。

    参考資料 · Qobuz / Rhino Elektra: complete programme and individual production credits
  2. Unison

    十二曲目の結末で、このApple版では約六分四十六秒。ハープ、弦の編曲、複数のプログラミング担当が記されるが、多い名前が常に複雑な音を要求するわけではない。一つの反復を追い、その周囲の層がどう感じられるか聴いてみよう。前半で育てた細部への集中を長い最後にも持ち込める。題名だけから全ての緊張が解決したと断言する必要もない。前の「Harm of Will」から続けると、終わりという位置と長さが一緒に働く。公式提供先でも時間の表示に小差があるため、秒数だけを特定マスターの証拠にはしない。選んだのは原作順序のスタジオ曲である。

    参考資料 · Qobuz / Rhino Elektra: complete programme and individual production credits

次に聴く一枚

『Debut』へ戻り、ダンスのリズムと多様な様式を広げた初期作品から、この細かな編曲までの違いを比べたい。

Debut ↗
参考資料と編集について

日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。