ソウル / R&B / フィラデルフィアとスウィート・ソウル · 1975
ウェイク・アップ・エヴリバディ
ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ
Wake Up Everybody · Harold Melvin & the Blue Notes
この一枚を聴く理由
社会へ呼びかける長い歌と、シャロン・ペイジが参加する愛の歌を一枚に置く。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
『Wake Up Everybody』は共同体全体への呼びかけで始まるが、一つの声や話題だけでできた盤ではない。テディ・ペンダーグラスの力強いリードとシャロン・ペイジの参加が、原七曲の中に異なる関係を作る。社会への責任と個人の愛情を同じ流れに収める。
1975年の本作は、グループがフィラデルフィア・インターナショナルで作った最後のスタジオ作であり、ペンダーグラス参加の最後の作品でもある。グループ名のハロルド・メルヴィンを全曲のリード歌手と同一視してはいけない。当時のレーベル広告はペンダーグラスとペイジの両方を前へ出していた。ケニー・ギャンブルとレオン・ハフの制作に、スタジオの演奏家と編曲陣が加わる。大きな伴奏を共有しながらも、声の組み合わせと主題は曲によって変わる。
呼びかけを作る複数の役割
主題曲を書いたのはジーン・マクファデン、ジョン・ホワイトヘッド、ヴィクター・カースターフェン。制作コンビの名前だけで説明すると、この作家たちが見えなくなる。教師や医師など、それぞれの役割を持つ人へ行動を求める歌をペンダーグラスが前面へ押し出す。原アルバムの長い版は、短いシングルより広い時間を与える。作曲、編曲、歌、演奏、制作の役割が重なることで、大きな訴えが録音になる。
一体感は別々の録音から
ギャンブルは後年、リズムの演奏を作り、声を加え、その後に弦や管を重ねる工程を説明した。歌手とバンドを別のセッションで録音したとも振り返っている。全員が一つの部屋で同時に歌った実況のように考える必要はない。完成した音のまとまりは、練習や段階ごとの選択から生まれる。大きな伴奏と前へ出る歌が一つになる印象も、制作の積み重ねとして理解できる。自然に聞こえることと、一度に録ったことは同じではない。
別の声が広げる七曲
三曲目の「You Know How to Make Me Feel So Good」にはペイジが参加し、原作の終曲「I’m Searching for a Love」にも彼女の名前がある。主題曲とは違う声の関係が、アルバムの中と終わりに置かれる。途中の「Don’t Leave Me This Way」は後に別の歌手でも有名になったが、ここではブルー・ノーツの録音として聴く。社会への訴え、親密な愛情、踊りへ向かう力が原七曲の幅を作る。代表的な一曲の名声だけでは、この配置までは伝わらない。 二曲目の「Keep On Lovin’ You」は約三分四十一秒で、長い冒頭と三曲目の間に短い区間を作っている。
曲からたどるアルバム
主題曲の共同体への呼びかけと、ペイジが参加する三曲目の関係を比べる。
Wake Up Everybody
マクファデン、ホワイトヘッド、カースターフェンが書き、ペンダーグラスがリードを歌う。教師や医師など具体的な役割を持つ人へ行動を求めるため、題名は単なる起床の掛け声ではない。選んだのは約七分三十三秒のアルバム版で、短いパート一だけのシングルとは異なる。制作コンビと作家を区別すると、録音が多くの人の仕事であることも明らかになる。グループ名のメルヴィンと、このリードの声の主を混同しないことも大切だ。次の選曲と比べると、主題だけでなく声の関係も変わる。原七曲の大きな入口として、長い版を聴きたい。 この長さが呼びかけの場となる。
参考資料 · Cash Box, November 8 1975 — contemporary single review and three songwriter creditsYou Know How to Make Me Feel so Good
原盤の三曲目で、シャロン・ペイジが参加する。ギャンブルとハフが書いた約五分十七秒の愛の歌は、広く社会へ呼びかける冒頭曲から個人の関係へ焦点を移す。同じ制作陣の音楽でも、別の声が入ることで歌の関係が変わる。ペイジは原作最後の「I’m Searching for a Love」にも参加するので、一度だけの登場でもない。主題曲と「Don’t Leave Me This Way」の間で見落とされやすい部分を紹介する選曲だ。恋愛の歌と社会を扱う歌が別々の盤に分かれず、同じ七曲に入る。その幅を、声の構成から確かめることができる。
参考資料 · MusicBrainz — 2008 edition programme and detailed credits
次に聴く一枚
オージェイズのShip Ahoyと続け、同じレーベルの制作陣が別のグループへ社会的主題と個人の関係をどう配置したかを比べる。
Ship Ahoy ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。
- Wax Poetics — Kenny Gamble interview on recording Wake Up Everybody · magazine.waxpoetics.com
- Record World, December 6 1975 — Philadelphia International album advertisement naming Pendergrass and Paige · www.worldradiohistory.com
- Cash Box, November 8 1975 — contemporary single review and three songwriter credits · retrocdn.net
- MusicBrainz — 2008 edition programme and detailed credits · musicbrainz.org
- Musik-Sammler — original PZ33808 seven-song LP programme · www.musik-sammler.de
- Apple Music — Wake Up Everybody with one Tom Moulton bonus mix · music.apple.com