レゲエ・ラテン / アフリカの多様な音楽 · 1992
Miss Perfumado
セザリア・エヴォラ
Miss Perfumado · Cesária Évora
この一枚を聴く理由
郷愁だけに閉じず、愛情の歌と動くリズムを並べる、カーボベルデの声の広い一枚。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
この作品を「Sodade」一曲の憂いで記憶すると、六曲目「Angola」と次の表題曲が作る変化を見落としやすい。エヴォラの声は強く押し出さなくても一つの句を長く残すが、その抑制は全曲の感情が同じという意味ではない。故郷の地名を含む冒頭から、別の愛情の言葉へ移る十三曲を辿ろう。落ち着いた歌唱の中にも、リズムと文の異なる動きがある。
カーボベルデの歌手が1992年にルサフリカから出した作品。レーベルは「Sodade」でピアニストのパウリーノ・ヴィエイラが担った再編曲を指摘する。表題曲の演奏クレジットにはギターとチェロがあり、全曲を同じ薄い伴奏と説明するより、個々の色を確かめる入口になる。B.レザ、テオフィロ・シャントレ、マヌエル・ド・ノヴァスなど、複数の作者も見える。一つの感情の標本ではなく、一人の声を通して異なる歌に出会う盤である。
地名を伴う郷愁
「Sodade」の公式歌詞と翻訳にはサン・ニコラウとサントメが現れる。広い感情にも具体的な出発点と遠い場所があるわけだ。それをポルトガル語圏の人々全員の変わらない性質として説明せず、この歌の場所と関係に注目したい。カーボベルデのクレオールを、ただポルトガル語に似た言葉へ縮めないことも大切になる。確認できる意味と、歌う呼吸の両方から接することができる。
中央で変わる主題と音の色
公式翻訳で「Angola」は祝祭の生活を扱い、次の表題曲は近しい人への愛情へ視線を向ける。国の名だけから戦争や亡命の歌と決めつけると、その違いが消える。表題曲ではギターが句をつなぐ場所やチェロの音色を手掛かりにしたい。楽器名を覚えるためではなく、同じ歌手が別の曲で得る空間を聴くためだ。歌い方の抑制と、すべてが同じ気分であることを区別できる。 B.レザの表題曲と、シャントレの「Morabeza」「Recordai」を後で比べる道もある。歌手が共通していても、別の作者の旋律を同じ物語へ吸収しないでおきたい。
代表曲のあとにも残る時間
「Vida Tem um Só Vida」は五分を超え、「Lua Nha Testemunha」は現行版で約六分二十秒。表題曲を過ぎても相当の時間が残る。後半を同じ雰囲気の反復として流さず、長い歌と最後の「Barbincor」「Tortura」が結ぶ長さの差を考えよう。最初の郷愁で全内容を決めず、声が各曲の違う文をどう終えるか辿ると、十三曲の個性が残る。原作は「Tortura」で閉じ、そのあとに現在の追加リミックスが始まる。
曲からたどるアルバム
冒頭の地名を覚え、「Angola」と表題曲の異なる主題を比べ、原作が終わる十三曲目で区切ってみよう。
Sodade
現行版で約四分五十五秒の冒頭曲。郷愁を連想する題名でも、公式翻訳のサン・ニコラウとサントメを覚えておけば、感情は場所のない雰囲気だけにならない。声量より、句を長く保つ場所と離す場所を追ってみよう。レーベルが示すヴィエイラの再編曲も、歌声だけでなく、その句が置かれる音楽の選択を考える手掛かりになる。作者の表記には複雑な資料上の経緯があり、エヴォラ自身の作とは紹介しない。一曲をカーボベルデ全体の固定した感情へ広げないことも大切だ。次の「Bia」へ進めば、同じ声が別の愛情の歌へ移る余地を残すことができる。
参考資料 · Cesária Évora official discography — 1992 thirteen-song programme and annotated lyricsMiss Perfumado
七曲目に置かれた約四分三十二秒の表題曲で、B.レザの作品。公式翻訳で近しい人への愛情を確認でき、冒頭の故郷への思いと無条件に同じ物語へ結ぶ必要はない。クレジットのギターとチェロを入口に、声の周囲へ違う長さの音がどう置かれるか聴きたい。全単語を知る必要はなくても、愛情の対象がいると分かれば句の終わりの待ち方も変わりうる。「Angola」から移った後も同じリズムの印象を保持しなくてよい。同じ抑制された表現でも、曲ごとに異なる空間を作る例として比較できる。表題曲を全体の答えにせず、残る六曲へ続けて進もう。
参考資料 · Qobuz / Lusafrica — current programme and individual recording credits
次に聴く一枚
ミリアム・マケバの初作へ進み、一人の声が異なる背景の歌をつなぐ方法と伴奏の差を比べたい。
Miriam Makeba ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。
- Cesária Évora official discography — 1992 thirteen-song programme and annotated lyrics · cesaria-evora.com
- Lusafrica — label history and Paulino Vieira arrangement of Sodade · www.lusafrica.com
- Qobuz / Lusafrica — current programme and individual recording credits · www.qobuz.com
- Apple Music — thirteen original songs plus Angola remix · music.apple.com