ジャズ / ハードバップとブルーノート · 1963
バック・アット・ザ・チキン・シャック
ジミー・スミス
Back at the Chicken Shack · Jimmy Smith
この一枚を聴く理由
ハモンド・オルガンが旋律と低い土台に関わる編成で、速度や演奏時間の違いを一つの音色以上のものとして聴ける。
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収録曲・試聴
日本語編集版
アルバムの物語
ジャズの四人組からピアノ、ベース、ドラム、管楽器を思い浮かべるなら、ジミー・スミスのこの盤は役割の配置を考え直す入口になる。オルガンはピアノの音色だけを取り替えた代用品ではない。上で旋律を広げながら低い土台にも関わるため、他の奏者との関係が変わるのだ。厚い音という第一印象に加えて、何がリズムの基礎を作り、何が前面へ出るかを聴いてみたい。楽器の選択は色彩だけでなく音楽の構成にも関係する。
一九六〇年四月二十五日、ルディ・ヴァン・ゲルダーのスタジオで録音された一九六三年のアルバム。スミスのオルガンに、スタンリー・タレンタインのテナー、ケニー・バレルのギター、ドナルド・ベイリーのドラムが参加した。同日の録音から《Midnight Special》も作られたが別の盤である。今回は元の四曲を対象にし、五曲の配信版の追加曲《On the Sunny Side of the Street》を除く。録音年と発売・権利の年を一つにまとめないことも、この資料を理解する助けになる。
オルガンを背景だけにしない
ハモンドを長く伸びる和音としてだけ考えると、スミスの仕事を狭く捉えてしまう。手と足で違う音域に関われるため、別の編成ならピアノとベースが分けて担う機能が違う形で集まる。実際の低音がすべてどの手やペダルから出ているかを推測する必要はない。低い基礎が続く間、上の動きがどう変わるかを聴いてみよう。厚みを感じることと、内部の役割を分けて考えることは両立する。全体へ戻したときにも違う情報が残るはずだ。
題名曲とマイナー・チャント
最初はスミスの自作曲で、第三曲《Minor Chant》はタレンタインの作品だ。どちらも同じソウル・ジャズの雰囲気だとまとめる前に、速度の違いを確かめたい。ゆっくりと場所を作る流れと、より速く進む流れでは、同じオルガンの音色も違う条件で働く。速い方が優れているという比較ではない。即興に与えられる場がどう異なるかを見るための手掛かりだ。ベイリーのドラムも、一定の拍を数える背景としてだけではなく演奏の一部として聴こう。
四曲それぞれに滞在する
四曲しかないからといって、短い見本の集まりではない。最後の《Messy Bessie》だけでも十二分を超え、各演奏の中に十分留まれる構成になっている。次の曲へ急ぐ代わりに、一つの演奏で中心が移る過程を待ってみよう。題名曲だけを知っていた盤なら、最後まで進むことで規模の印象が変わるかもしれない。追加曲も別に楽しめるが、元の四曲の終点と分けておくと、このアルバムの比率と結末が見えやすくなる。長さを単なる情報で終わらせず、聴く時間として受け止めたい。
曲からたどるアルバム
題名曲と《Minor Chant》の速度を比べ、オルガンの低い土台と上の旋律が同時に働くことに注目する。
Back at the Chicken Shack
スミスの題名曲では、オルガンの厚みと演奏の動きを一緒に聴いてみたい。低い部分が土台を保つ間、上では何が起きるかに注意する。テナーやギターが前へ出ても、オルガンの役割が消えるわけではないため、独奏者だけを追うと見落とす関係がある。層を分けてから全体へ戻す聴き方も役立つ。遅い進行を緩んだ演奏と決める必要はなく、一定の動きの中で材料を変えることも展開だ。第三曲《Minor Chant》と比較すると、別の速度で同じ楽器がどう働くかを考えられる。今回は短いシングル編集や後年の実演ではなく、元のアルバム第一曲の配信演奏を選ぶ。
参考資料 · Blue Note artist feature: Hammond organ, personnel and individual piecesMinor Chant
タレンタインが書いた曲で、題名曲より速い進行が比較の出発点になる。ただし速さだけを説明の終わりにせず、テナーとオルガンが前面へ出る形や、ドラムの存在が目立つ場面にも注意したい。オルガンが続けて登場しても、全曲が同じ質感になるわけではない。最初の曲で感じた土台が、別の動きの中ではどう受け止められるかを考えよう。次に最も長い《Messy Bessie》が来るので、ここでの活気が盤の最後ではない。二つの選曲を比べてから元の四曲順序へ戻ると、それぞれの長さと位置の違いも見えてくる。短い比較と全体の鑑賞を行き来してみたい。
参考資料 · Blue Note artist feature: Hammond organ, personnel and individual pieces
次に聴く一枚
デクスター・ゴードンの《Go!》へ進み、オルガン中心の編成と、ピアノとベースが役割を分担する四人組の違いを比べる。
Go! ↗参考資料と編集について
日本語の読者に向けて独立して編集した記事です。作品の事実関係は下記の資料を参照し、聴きどころは編集上の解釈として記しています。AIによる編集・検査を実施しており、第三者の読者による実査ではありません。
- Blue Note official store: April25,1960 session and original four-track programme · store.bluenote.com
- Blue Note artist feature: Hammond organ, personnel and individual pieces · www.bluenote.com
- Apple Music: five-track Blue Note digital issue,1963 copyright · music.apple.com
- Cash Box February16,1963: contemporary Blue Note album advertisement · www.worldradiohistory.com